2016.11.14 | ニュース

成長ホルモン欠乏症にソマバラタンで身長が半年で4cm伸びた

68人の子どもが参加した試験
from The Journal of clinical endocrinology and metabolism
成長ホルモン欠乏症にソマバラタンで身長が半年で4cm伸びたの写真
(C) Dave_Pot - iStock

子どもの成長ホルモン欠乏症は、低身長などを引き起こします。成長ホルモンを注射することで治療されますが、何度も注射をしないといけない点が負担になります。新しく月に2回注射する薬が試されました。

ソマバラタンは、月に2回注射すれば使えるように設計された成長ホルモン製剤です。現在も成長ホルモン製剤は使えますが、毎日のように自己注射しないといけません。

ここで紹介する研究では、ソマバラタンの適切な用量と安全性などを調べています。

対象として、思春期前の子どもで、成長ホルモン欠乏症があり、まだ治療を受けていない68人が集められました。

対象者にソマバラタンの用量を少しずつ変えて注射することで、反応が確かめられました。

その結果をもとに決められた用量に従い、ソマバラタンを注射する頻度を次のように変えることによって、6か月間の効果が比較されました。

  • 体重1kgあたりソマバラタン1.15mgを毎週注射する
  • 体重1kgあたりソマバラタン2.5mgを月に2回注射する
  • 体重1kgあたりソマバラタン5.0mgを月に1回注射する

 

6か月間で得られた成長のスピードを年間あたりに換算すると、次の結果でした。

  • 月1回注射:1年あたり7.86 ± 2.5cm成長
  • 月2回注射:1年あたり8.61 ± 2.7cm成長
  • 毎週注射:1年あたり7.58 ± 2.5cm成長

どの場合でも、成長の速さに統計的に違いがあるとは言えませんでした。

副作用の可能性があることとして、痛みや皮膚の赤みなどが現れましたが、深刻なものはありませんでした。

 

ソマバラタンは月1回の注射でも毎週注射と効果に違いがないという結果が得られました。

ここで報告された結果のうえで、ソマバラタンを月に2回注射することにより効果と安全性を評価する研究が現在日本でも行われています(2016年11月時点で参加者募集中)。

効果が確かめられれば、注射の回数を減らすことで、成長ホルモン欠乏症を楽に治療できるようになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A Randomized Safety and Efficacy Study of Somavaratan (VRS-317), a Long-Acting rhGH, in Pediatric Growth Hormone Deficiency.

J Clin Endocrinol Metab. 2016 Mar.

[PMID: 26672637]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。