りんきんかんせんしょう
淋菌感染症
淋菌が感染し炎症が生じる病気。生殖器や咽頭に多い
8人の医師がチェック 173回の改訂 最終更新: 2023.08.18

淋菌感染症の基礎知識

POINT 淋菌感染症とは

性感染症を起こす淋菌に感染した状態のことです。若い男性に多く、尿道や性器やのどに感染することが多いです。発熱や関節痛に加えて、頻尿・残尿感・咽頭痛などが現れます。また、女性では骨盤内炎症性疾患というお腹全体の感染を起こし、不妊や子宮外妊娠のリスクになることがあります。 診断するためには尿や喉のぬぐい液の培養検査を行います。近年は以前有効であったニューキノロン系抗菌薬やマクロライド系抗菌薬が効かなくなる傾向にあるので、セフトリアキソンを点滴します。淋菌感染症に思い当たるふしがある人は、感染症内科・泌尿器科・総合内科を受診して下さい。

淋菌感染症について

  • 淋菌が感染し炎症が生じる病気。生殖器や咽頭に多い
    • 感染している状態で性行為を行うことで、感染が拡大していく
  • 患者数は年間数十万人程度と推定される
    • 20-30歳代の男性に多い
    • 感染症のなかでは、クラミジア感染症についで多い
  • 腟性交だけではなく、オーラルセックス、アナルセックスでも感染する
  • 淋菌感染症の症状は、強い症状が出やすい

淋菌感染症の症状

淋菌感染症の検査・診断

  • 陰部やのどの状態を見て、炎症の有無を確認する
  • 細菌検査(尿道やのどから採取した分泌物あるいは尿を用いて検査する)
    • 細菌培養検査
      • 薬剤感受性試験(抗菌薬が聞くかどうかを確かめる検査)も行うことができる
    • 遺伝子検査(PCR法など)
    • 酵素免疫法(EIA 法)

淋菌感染症の治療法

  • 抗生物質抗菌薬)で治療する
  • コンドームを適切に使うことで性感染を防ぐことができる
  • 淋菌感染症が発覚した場合は、パートナーも一緒に検査を受けることが重要
    • パートナーと同時に感染していることが多い

淋菌感染症の経過と病院探しのポイント

淋菌感染症が心配な方

淋菌感染症の症状や治療は、感染する部位や性別によって様々です。しかしその大半は性感染症であり、不妊の原因となるため治療が必要です。

何らかの症状や心当たりがあって、淋菌感染症ではないかとご自身で心配になった時、最初に受診するのは産婦人科や泌尿器科、感染症内科のクリニックが適しています(眼の感染は除きます)。性感染症の中でも淋菌感染症は一般的なものですので、特別な大病院や専門病院ではなくクリニックで十分診断や治療が出来ます。

淋菌感染症の診断は問診と診察、尿検査などで行います。感染している部位によっては腹部エコーやCT検査も行われますが、まずは一般的な尿検査から進めることが多いでしょう。クラミジア感染症を併発しやすいため、そちらの検査も同時に行います。

淋菌感染症の治療は抗生物質(抗菌薬)です。感染の部位と重症度にもよりますが、内服薬よりも注射薬が用いられることが多いです。こちらには点滴と筋肉注射の2通りがあります。クラミジア性感染症を併発している場合など、必要に応じて別の種類の薬を併用して治療を行います。放置するとパートナーに移ったり、不妊の原因になったりするので、しっかりと治療することが大切な疾患です。

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