りんきんせいけつまくえん(のうろうがん)
淋菌性結膜炎(膿漏眼)
淋菌の感染により生じる細菌性結膜炎の一種。白いどろっとした目やにが特徴的
4人の医師がチェック 30回の改訂 最終更新: 2018.03.14

淋菌性結膜炎(膿漏眼)の基礎知識

POINT 淋菌性結膜炎(膿漏眼)とは

大人では性感染症の淋菌性尿道炎に伴って起こることがほとんどです。まれに赤ちゃんが産道を通るときにお母さんから感染し、結膜炎になってしまうことがあります。瞼が腫れ、白目は真っ赤になり、黄色い膿のような目やにが大量に出てくることが特徴です。白目(結膜)だけでなく、黒目(角膜)にも感染し、早期に適切な治療を行わなければ、黒目に潰瘍を作り穴をあけてしまうこともあり、失明に至ることもある深刻な感染症です。抗菌薬の点眼と内服の治療を行います。眼だけではなく感染性器の、また、自分だけではなくパートナーの治療も重要です。淋菌性結膜炎が心配な人や治療したい人は、眼科や感染症内科を受診して下さい。

淋菌性結膜炎(膿漏眼)について

  • 淋菌の感染により生じる細菌性結膜炎の一種
    • 白いどろっとした目やにが特徴的
  • 感染症としての淋菌感染が原因となることが多い
    • 淋菌を触れた指などで目をこすることなどで起こる
  • 生まれたての赤ちゃん(新生児)に起こる場合もある(新生児膿漏眼
    • 淋病の母親からの産道感染(赤ちゃんが産まれる時に感染)が原因となる

淋菌性結膜炎(膿漏眼)の症状

  • 性交渉によってうつると以下のような症状が起こる
    • 眼の痛み
    • 充血
    • 大量の目やに
  • 治療を行わず重症化すると、角膜に穴が開いて失明することもある

淋菌性結膜炎(膿漏眼)の検査・診断

  • 問診
  • 身体診察
  • 細菌検査:目やにの中の菌の種類を確認する

淋菌性結膜炎(膿漏眼)の治療法

  • 抗菌薬の点眼、内服を行う
  • 効果的な予防方法
    • 感染症に対する予防
      • 不特定多数の相手との性行為を慎む
      • 確実にコンドームを使用する
    • 手洗いを欠かさないようにする
    • 性行為の最中に目をこすらないようにする
    • 妊婦の場合、出産前に淋病の感染の有無を検査する

淋菌性結膜炎(膿漏眼)の経過と病院探しのポイント

淋菌性結膜炎(膿漏眼)が心配な方

淋菌性結膜炎膿漏眼)は、目(結膜)で淋菌が繁殖して炎症を起こしている状態です。目やにや充血、目の痛みといった症状が出現します。淋菌が原因の結膜炎はその他の結膜炎よりも症状が強くなりがちですが、似たような症状を呈する病気は他にもあるため、ご自身で淋菌性結膜炎だと自己診断するのは難しいかもしれません。細菌の中でも淋菌以外の菌や、ウイルスが原因となる結膜炎もありますし、花粉症のようなアレルギー性のものもあります。ご心配の場合はまず一度お近くの眼科クリニックを受診して診察を受けることをお勧めします。眼科の中では一般的な疾患ですので、大病院や専門病院でなければ診断がつけられないということはありません。

淋菌性結膜炎(膿漏眼)に関連する診療科の病院・クリニックを探す

淋菌性結膜炎(膿漏眼)でお困りの方

抗菌薬の目薬を使用するのが基本的な治療です。また、清潔でない手で目をいじると再感染の元となりますので、なるべく目をこすらないことに加えて手洗いに努めて手指を清潔に保つようにしましょう。

基本的には1-2週間程度で治る疾患です。高齢者、乳幼児、糖尿病のある方では長引くこともありますが、適切な治療を行っても改善が見られない場合には、別の病院を受診するのではなく、出来る限り最初と同じ医療機関を再診するようにしてください。「この薬の効果がなければ次はこう考える」という二の手、三の手がある中で効く可能性の高いものから順に治療を行っていきますし、最初の時点からの眼の様子の変化が診断の上で重要なことが多いためです。

また成人に生じる淋菌性結膜炎は性感染症の一種ですので、眼だけでなく陰部の淋菌感染がないかどうか、そしてパートナーの方に感染がないかどうかも確認が必要です。何か気になる症状があるようであれば、眼の治療だけでなく泌尿器科を受診の上、パートナーの方と一緒に治療に当たられてください。

淋菌性結膜炎(膿漏眼)に関連する診療科の病院・クリニックを探す

淋菌性結膜炎(膿漏眼)が含まれる病気

淋菌性結膜炎(膿漏眼)のタグ

からだ

淋菌性結膜炎(膿漏眼)に関わるからだの部位