りんきんせいしきゅうけいかんえん
淋菌性子宮頚管炎
淋菌という菌が、子宮頚管(子宮の入口)に感染して炎症を引き起こした状態
5人の医師がチェック 144回の改訂 最終更新: 2021.03.01

淋菌性子宮頚管炎の基礎知識

POINT 淋菌性子宮頚管炎とは

淋菌によって子宮頸管(子宮の入口)に感染が起こった病気です。いわゆる性感染症であり、性行為でうつる病気です。主な症状は、悪臭を伴う膿のようなおりもの・発熱・外陰部のかゆみ・排尿時痛・性交時痛などになります。 細菌検査で診断します。治療には抗菌薬を用いますが、近年抗菌薬の効きにくい淋菌が増えてきており、薬の有効性(感受性)を確認することも大切です。また、性感染症はパートナーも一緒に治療しないとまた感染を起こしていしまいますので、パートナーも同時に治療する必要があります。淋菌性子宮頸管炎が心配な人や治療したい人は、産婦人科や感染症内科を受診して下さい。

淋菌性子宮頚管炎について

  • 淋菌という菌が、子宮の入口に感染して炎症を引き起こした状態
  • 主な原因は性交渉によるもので、性感染症の一種である
    • 子どもの場合は下着や手指から感染することもある
  • 淋菌の感染症は抗菌薬の効かないパターン(耐性化)が増えていて、正しい抗菌薬を使用する必要性が高まっている
    • きちんと効果のある抗菌薬を治療に使用する
    • 決められた治療期間中は必ず抗菌薬を使用する(長くても短くても良くない)

淋菌性子宮頚管炎の症状

  • 症状が出ないことが多い
  • 以下の症状がでることもある
    • 悪臭を伴うのような黄色いおりものが増える
    • 外陰部かゆい
    • 外陰部が熱く感じる
    • 尿をするときの痛み
    • 下腹の痛み
    • 性交時の痛み
    • 発熱

淋菌性子宮頚管炎の検査・診断

  • 細菌検査:子宮頚部、尿道からの分泌物(おりものなど)の細菌の有無を調べる
  • 性交渉の環境を調べる
    • 決まったセックスパートナー以外と性交渉をしたか
    • コンドームをつけない性交渉をしたか

淋菌性子宮頚管炎の治療法

  • 抗菌薬で治療する
    • セフェム系抗菌薬、アミノグリコシド系抗菌薬などで有効なものを使う
    • しかし近年薬剤耐性淋菌が増えてきているため、治療後の検査が必要である
  • 予防のために気をつけること
    • 不特定多数の人との性行為を避ける
    • コンドームを使用する
  • 子宮や骨盤内、肝臓の周囲にも炎症が広がることがあるため、腹部の痛みを伴う場合は注意が必要
  • 本人だけでなく、パートナーの治療も同時に行う必要がある
    • パートナーが感染していて未治療のままだと、本人が治療を行っても再感染する原因となってしまう

淋菌性子宮頚管炎の経過と病院探しのポイント

淋菌性子宮頚管炎が心配な方

淋菌性子宮頚管炎では膿のような色のおりものが増えたり、排尿時に痛みを感じたりします。炎症の範囲が広がると下腹部の痛みや発熱を引き起こします。このような症状があり、淋菌性子宮頚管炎を含むなにかの感染症でないかとご自身で心配になったときは、最初に受診するのは産婦人科のクリニックが適しています。淋菌は性交渉によって感染する性感染症の一種です。検査や診断に特殊な機器を要するわけではありませんので、特別な大病院や専門病院ではなく一般的な産婦人科のクリニックで十分に診断や治療が行えます。

淋菌性子宮頚管炎の診断は、問診と診察、尿検査で行います。淋菌に感染している方はクラミジアの感染を併発していることも多いため、その検査や感染があれば治療も同時に行います。淋菌性子宮頚管炎の治療は抗生物質(抗菌薬)です。放置するとパートナーにうつしてしまったり、不妊の原因になったりするので、しっかりと治療することが大切です。

淋菌性子宮頚管炎については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どこでどのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。

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