にぶんせきつい
二分脊椎
生まれつき背骨の後ろ側が閉じきっていないため、脊柱管が管ではなく、半分開いている状態。
7人の医師がチェック 71回の改訂 最終更新: 2022.03.11

二分脊椎の基礎知識

POINT 二分脊椎とは

生まれつき背骨の後ろ側が閉じきっていない病気です。背骨の中には脊髄という神経がありますが、背骨が閉じきっていないと脊髄に悪影響を与えてさまざまな症状が現れます。脊髄のダメージによって症状は変わります。例えば、下半身の痛みやしびれとなって現れることもあれば、下半身の麻痺が現れることもあります。レントゲン検査や超音波検査、MRI検査で診断されます。手術によってむき出しになっている脊髄を保護するように修復し、麻痺などがある場合はリハビリテーションを行います。二分脊椎症が心配な人は整形外科を受診してください。

二分脊椎について

  • 生まれつき脊椎背骨)の後方部分が欠けている先天異常の一種
  • 本来、脊髄脊柱管という脊椎でできた管の中に入っているが、その脊柱管が閉じきらず、半開きになっている状態
    • 脊柱管の中で守られるべき脊髄が、脊椎の外に飛び出してしまっているためダメージを受けて、さまざまな神経障害が起こる
  • 出生1万人あたり約5人(1年あたり約400人)
  • 母親の葉酸欠乏や、糖尿病肥満、喫煙、薬剤(バルプロ酸)などが関与しているといわれている
  • 髄膜や脊髄がどれだけ飛び出ているかで大きく2種類に分かれる
    • のう胞性二分脊椎症
      • 髄膜や脊髄が皮膚から飛び出ている状態
      • 生まれた後早い時期に手術が必要となる
    • 潜在性二分脊椎症
      • 閉じきらなかった脊椎の部分に、脂肪の固まり(脂肪腫)が変わりに蓋をしている状態

二分脊椎の症状

  • 幼児期はあまり症状が見られないが、成長期(学童期や思春期)になると、症状が現れはじめる
  • 腰の部分に起こることが多い
  • 脊髄がどの程度ダメージを受けたかで症状の種類や重さが変わる
    • 下半身の痛みやしびれ
    • 下半身の麻痺
    • 排尿や排便の異常(尿や便がうまく出せない)
  • 主な合併症とそれに伴う症状

二分脊椎の検査・診断

  • 画像検査:脊髄の異常を調べる
    • 超音波検査:脊髄の異常の有無を調べる
    • MRI検査:脊髄の損傷度合いを調べる

二分脊椎の治療法

  • 基本的に手術を行う
  • 脊髄がむき出しになっている場合は、出生後48時間以内に手術
    • 脊髄の周りを膜や皮膚でしっかり閉じる
  • むき出しになっていない場合は、時期を相談して手術を行う
  • 合併症などの症状に対する治療
    • 水頭症脳室腹腔シャント
    • 側わん症などの骨の変形:矯正術、手術療法
    • 排尿、排便の異常に対してリハビリテーションを行う
  • 神経がダメージを受けていると、生涯にわたり治療とリハビリテーションを必要とする
    • 足の麻痺が起こるとうまく歩けなくなるため、リハビリを行う必要がある

二分脊椎のタグ

二分脊椎に関わるからだの部位