せきずいくうどうしょう
脊髄空洞症
脊髄の中に空洞ができて、脊髄が傷つくことで様々な神経症状が現れる病気
8人の医師がチェック 125回の改訂 最終更新: 2018.09.12

脊髄空洞症の基礎知識

POINT 脊髄空洞症とは

脊髄は神経の束で背骨の中にあります。脊髄空洞症は脊髄の中に空洞ができる病気です。 空洞をつくる原因としては炎症や腫瘍、血流障害、先天性の病気などさまざまです。空洞は脳脊髄液という液体で満たされていて、内側から神経を圧迫してさまざまな症状が現れます。特徴的な症状としては「温度や痛みの感覚がないにも関わらず、触られている感覚は残る」「しびれ」「動かしにくさ」などです。脊髄空洞症が疑われる場合は、CT検査やMRI検査などを用いて調べられます。症状を和らげる目的で薬物療法が行なわれ、進行を止めるために手術も検討されます。脊髄空洞症は多い病気ではありませんが、当てはまる症状がある場合は神経内科や脳神経外科を受診してください。

脊髄空洞症について

  • 脊髄の中に空洞ができることでさまざまな神経症状が現れる病気
    • 空洞の中は、通常脊髄の周りに存在する脳脊髄液で満たされている
  • 主な原因
    • 脊髄や周囲組織の炎症
    • 脊髄の腫瘍
    • 脊髄の梗塞や出血などの血管障害
    • 外傷
    • 先天性の奇形(キアリ奇形が代表的)  など
      ・キアリ奇形:脊髄の通る脊柱管に、小脳の一部が落ち込む病気
  • 20-30歳代に多い
    • 男女差なし
    • 推定患者数は全国で2500人前後とされている(2009年)

脊髄空洞症の症状

  • 症状は以下のように進行していくことが多い
    • 片腕のしびれ感で始まる
    • しびれた腕や手の感覚がなくなる
    • 他の手足のしびれや脱力が悪化し、筋肉のやせやつっぱりが現れる
    • 手足以外にも症状が現れるようになる
  • 感覚障害(手・腕・体幹が中心)
    • 不快なしびれ感
    • 温痛覚障害
      ・痛みや熱さがわからなくなる
  • 運動麻痺
    • 上肢の中でも、末端の手に近い方に脱力や筋肉の萎縮が表れる
  • 症状は両側のこともあれば、片側のこともある
  • 自律神経障害
    • 排尿障害
    • 排便障害
    • 発汗障害
    • 瞳孔不同
    • 立ちくらみ   など
  • 症状が進行する人が60-70%、進行が止まるあるいは改善する人が20-30%と言われている

脊髄空洞症の検査・診断

  • 問診・身体診察
    • どういった症状が出ているのかを確認する
  • MRI検査
    • キアリ奇形、頭蓋骨や脊椎の骨の異常、脊柱側弯などの合併症がないか調べる

脊髄空洞症の治療法

  • 薬物療法
    • 痺れや痛みを和らげる薬
  • リハビリテーション(理学療法、作業療法)
    • 手の痺れや痛みによって日常生活に支障が出るため、それらの症状とうまく付き合いながら生活するために、リハビリを行う
  • 手術
    • 大孔部減圧術:キアリ奇形が原因の場合、大孔部減圧術ではまりこんだ小脳の位置を変える手術によって、脊髄空洞症も良くなる
    • 空洞-くも膜下腔短絡術(シャント術):脊髄空洞症が悪化する主な原因は空洞の中に脳脊髄液が溜まって大きくなることなので、カテーテルを通じて空洞の脳脊髄液をくも膜下腔というスペースに流す

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