きゅうせいさんざいせいのうせきずいえん
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
ウイルス感染後あるいはワクチン接種後などに、異常に活性化した免疫が脳や脊髄、視神経などを攻撃して炎症を起こす状態
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最終更新: 2022.02.24
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の基礎知識
POINT 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)とは
ウイルス感染やワクチンの接種後に起こる脳や脊髄、視神経の炎症のことです。頭痛や、吐き気、意識障害、けいれん、麻痺などさまざまな症状が現れます。脱髄(神経線維を覆う髄鞘が破壊されること)という現象が起こることが原因だと考えられています。脱髄には自分の免疫の異常が関与しているとされています。画像検査(頭部CT検査や頭部MRI検査)や髄液検査によって診断が行なわれ、ステロイド薬を大量に使うステロイドパルス療法や免疫グロブリン大量療法で治療されます。風邪や予防接種の後に頭痛や吐き気、意識障害などが起こった場合には急性散在性脳脊髄炎の可能性があります。内科や脳神経内科を受診してください。
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)について
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の症状
- 症状は急激に起こり、数日以内にピークに達する
- はじめに起こりやすい症状
- 頭痛
- 発熱
- 嘔吐
- 病気の状態が悪くなると出る症状
意識障害 (せん妄、不穏 )- けいれん
- 神経症状
麻痺 - 視野障害
- 排泄障害
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の検査・診断
- 画像検査:脳に損傷が起こっていないかなどを調べる
頭部MRI 検査頭部CT検査 :頭の外傷や脳血管障害が疑われた時に行うことがある
髄液検査 :神経にダメージが起こっていないかを調べる- 背中に針を刺して
脳脊髄液 を採取する(腰椎穿刺 )
- 背中に針を刺して
- 血液検査:体内に
炎症 が起こっていないかなどを調べる 脳波検査 :脳の電気活動から脳の状態を調べる
急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の治療法
- 一般的に、有効とされる
ステロイドパルス 療法が行われることが多い- ステロイドパルス療法
- 3日間、通常の10倍以上の量の
ステロイド薬 点滴が行われる - ステロイドパルス療法をしたあとはしばらく
ステロイド を飲む
- 3日間、通常の10倍以上の量の
免疫グロブリン 大量療法- 献血された血液などから精製された
抗体 が使用される治療法
- 献血された血液などから精製された
- ステロイドパルス療法
- 小児期
発症 も約60~90%が、後遺症なく回復すると報告されている