りゅうこうせいじかせんえん(おたふくかぜ)

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)

唾液をつくる耳下腺(耳の前〜下)、顎下腺(あごの下)が腫れて痛み、熱がでる感染症。特に小児に多い

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10人の医師がチェック 151回の改訂 最終更新: 2017.06.15

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の基礎知識

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)について

  • 唾液を作る耳下腺(耳の前から下にある)、顎下腺(あごの下にある)が腫れて痛み、熱が出る感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称
  • 主な原因
    • ムンプスウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効であるへの感染
    • ウイルスを持つ人からの接触感染患者の体や、その周囲にあるものに付着した病原体に触れ、それが粘膜から入り込んで感染すること。一般的な感染経路の一つ飛沫感染患者のくしゃみや咳によって、病原体が他者の粘膜(眼、鼻、口など)に触れることで起こる感染。インフルエンザなど多くのウイルスが感染する経路(咳やくしゃみなどでうつる)
  • 年齢とともに増加し、4歳が最も多い
    • 4歳以下の割合が約5割
  • 主な合併症ある病気や治療によって引き起こされる、別の病気や病態のこと
    • 精巣炎
      ・思春期以降の成人男性の場合、軽いものも含めると20-25%が精巣炎合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることする
    • 無菌性髄膜炎
      ・最も多い合併症で、女性より男性で合併しやすい
      ・頭痛を訴える
      ・耳下腺や顎下腺の腫れと同時に合併することもあれば、腫れが出る前や後に合併することもあり、タイミングはさまざま
      ・通常は後遺症なく自然に治る
    • 膵炎
      ・子どもと大人の両方で合併することがあるが、まれ
      ・通常は対症療法病気による症状自体を抑えるための治療。病気の根本の原因を治す治療(根本治療)と区別される治癒病気が、それ以上の治療を必要としない状態になること。完治とほぼ同じ意味する
    • 難聴
      ・ワクチンのない時代は、子どもの難聴の原因はおたふく風邪が多かった
      ・突然発症症状や病気が発生する、または発生し始めることするが、まれに徐々に難聴が進行する例もある
      ・合併はまれだが、難聴が後遺症として残る可能性がある

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の症状

  • 2-3週間の潜伏期間感染症において、病原体に感染してから症状が発症するまでの期間を経て発症症状や病気が発生する、または発生し始めることする
  • 主な症状
    • 耳下腺・顎下腺の腫れ
    • 耳下腺・顎下腺を押したときの痛み
    • 飲み込みのときの痛み
    • 発熱
  • 病気の説明
    • 通常、最初に症状が出現した瞬間から48時間以内に症状がピークに達する

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の検査・診断

  • 基本的には症状から診断され、検査は必須ではない
  • 血液検査
    • 診断が疑わしい場合に、特殊な検査としてムンプスウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染の有無を調べる目的で行われることがある
    • ただし、結果が出るまでは数日間を要することが多く、また標準的に行われる検査ではない

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の治療法

  • 特効薬はないが、ほとんどの場合1-2週間で自然に完治するため、対症療法病気による症状自体を抑えるための治療。病気の根本の原因を治す治療(根本治療)と区別されるで様子を見る
    • 痛みが我慢できる程度であれば、安静にしているのがよい
    • 一度下がった熱が再発し、腹痛、頭痛などがある場合、髄膜炎などの合併症ある病気や治療によって引き起こされる、別の病気や病態のことが起きている可能性を考慮して検査を要する
  • 予防、再発予防方法
    • おたふくかぜワクチン接種によって予防する
    • 現段階では任意接種のワクチンではあるが、予防効果の観点から2回のワクチン接種が推奨されている
    • 好発年齢病気が発症しやすい年齢は3-6歳であることを踏まえて、3歳までの接種が望ましい
  • 「耳下腺や顎下腺の腫れが出現してから5日が経過して、かつ全身の状態が良くなるまでは登園・登校禁止」と学校保健安全法に定められている

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の経過と病院探しのポイント

流行性耳下腺炎(おたふく風邪)かなと感じている方

流行性耳下腺炎おたふく風邪)は耳下腺や顎下腺といったあごの周囲の部分が腫れたり痛くなったりする感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称です。熱やのどの痛みも出るので、通常の風邪と区別がつきづらいことがあります。

まず始めに理解しておきたいのは、流行性耳下腺炎は通常の風邪と同じく、元々元気な方であれば深刻に捉える必要はあまりない病気であるということです。治療薬といっても解熱薬のような対症療法病気による症状自体を抑えるための治療。病気の根本の原因を治す治療(根本治療)と区別される薬のみでそれ以外は必要のない(そもそも特効薬がない)病気でもあります。高熱が出たり意識がぼーっとしたりというような場合を除けばとりあえず自宅で様子を見るというのも選択肢の一つです。

したがって、流行性耳下腺炎で医療機関を受診する目的というのは、他の病気ではないことを確認すること、そして流行性耳下腺炎による合併症ある病気や治療によって引き起こされる、別の病気や病態のことがないことを確認することということになります。流行性耳下腺炎では髄膜炎といって脳周囲でウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを引き起こし、頭痛が出たり意識がぼーっとしたりすることがあります。また数万人に一人ではありますが難聴の後遺症が残ってしまうことが報告されています。こういった際に早期に変化を発見することや、そしてご家族の方に正しい知識を身につけてもらうことも受診の際には大切なことの一つになります。

もし診断が流行性耳下腺炎だということになれば、熱があれば熱冷ましが処方されますが、熱もない流行性耳下腺炎の場合、特に薬が出ないことも多いです。ご自宅で無理せず過ごして、様子をみてもらうことになるでしょう。周囲へ感染を広げてしまうことにもなるので、学校や職場はお休みして、自宅では頻回の手洗いうがいを行いましょう。

受診先は、お子さんならば小児科のクリニック、成人の方であれば内科のクリニックが良いでしょう。流行性耳下腺炎は小児に多い病気ですが、成人もかかることがあります。小児科の医師は診断に慣れていますが、成人を主に診ている医師では、場合によっては流行性耳下腺炎の可能性が思い浮かびにくいこともあるかもしれません。お近くに流行性耳下腺炎の方がいるなど、ご自身の体調不良に心当たりがある場合は、最初に受診の目的や心配事をぜひ医師にお伝えください。

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