新三種混合(MMR)ワクチン、自閉症スペクトラム障害との相関は見られず

アメリカで1970年代から一般的に行われているMMRワクチン(麻疹、おたふく、風疹の3種混合ワクチン)の予防接種。現在も実施されていますが、1998年に自閉症スペクトラム障害(ASD)との関連が報告されて以降、予防接種を受ける児童が激減したため、近年、麻疹の感染が増加していると言われています。今回アメリカの研究グループは、MMRワクチンとASDの関連性をあらためて否定する報告を行いました。
◆兄姉を持つ児童、約10万人を対象とした統計調査
すでにこれまでも様々な論文でMMRワクチンとASDとの間に
今回、アメリカの研究グループはMMRワクチン接種とASD
◆MMRワクチン接種とASDの関連は高リスク児童にも認められず
兄または姉を持つ児童95,727人のうち、ASDと診断されたのは994人(1.04%)でした。ASDのある兄または姉を持つ児童は、そうでない児童に比べ、ASDを発症するリスクが高いことが分かりました。
しかし、兄または姉がASDを発症しているかどうかに関わらず、MMRワクチン接種の有無、接種した年齢、回数は、ASDのリスクと関連がみられませんでした。
今回の調査では、MMRワクチン接種とASDのリスクに相関はなく、ASDのリスクが高い児童の場合でも同様であることが示されました。
あらゆるワクチンにおいて、その有効性と危険性は議論されています。この結果は今後、小さな子供を持つ親の行動をどのように変えていくでしょうか。
ワクチン接種の危険性と安全性に関しては、明らかになっていない点もありますが、様々なリスクと向き合いながらより適切な判断を行っていく必要がありそうです。
執筆者
Autism Occurrence by MMR Vaccine Status Among US Children With Older Siblings With and Without Autism.
JAMA. 2015 Apr 21
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。