子どもの自閉症スペクトラム障害に効果、ESDMプログラムの後6歳になった子は今
自閉症スペクトラム障害の原因は解明されていません。周りの人々からの支援や行動療法などによって状態の改善が図られます。比較的新しい試みに、アーリースタートデンバーモデル(ESDM)という支援プログラムがあります。3歳未満の早期から始まる2年間のESDM介入によって、改善効果が報告されていましたが、対象者を介入終了後追跡した結果、6歳時点でも改善が見られたことが新たに報告されました。
◆介入終了後約2年の経過
研究班は、18か月から30か月の間に始まったESDMの介入を2年間受け、介入終了時点で平均して適応行動などの改善が見られていた39人の子どもを追跡し、6歳時点での状態を調べました。
◆中核症状に改善
調査から次の結果が得られました。
ESDM群では、平均して、2年のフォロー期間にわたって、全体としての知的能力、適応行動、症状の重症度、挑戦行動について早期介入によって得られた改善を維持していた。介入直後には自閉症中核症状に群間の差は見られなかったが、2年後には、通常のコミュニティ介入(COM)群と比べてESDM群で自閉症中核症状と適応行動に改善が見られた。6歳で知的機能について2群間に
有意 差はなかった。
対人関係などに現れる自閉症中核症状が、通常のケアを受けていた子どもに比べて改善していました。
研究班は、「注目するべきことに、自閉症中核症状はフォロー期間を経てESDM群でCOM群に比べて改善していた」と強調しています。
ESDMはまだ試されている段階にありますが、こうした試みの中から、自閉症
執筆者
Long-Term Outcomes of Early Intervention in 6-Year-Old Children With Autism Spectrum Disorder.
J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2015 Jul
[PMID: 26088663]
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