予防注射が痛くて泣く1歳児に、砂糖水を飲ませてみたら

乳幼児は予防接種などで何度も注射を受けます。注射の痛さで泣いて暴れる子どもを泣き止ませるのは一苦労ですが、いい方法はないのでしょうか。生後15か月の子どもに砂糖水を使った結果が報告されました。
◆MMRワクチンを受ける15か月の子どもを対象に
子どもに痛みを伴う処置をするときに、砂糖水を飲ませることで泣き止ませる方法が研究されています。1歳未満の乳児に対しては以前にも多くの研究がありますが、ここではより大きい、15か月の子どもを対象にしています。
MMRワクチン(麻疹、流行性耳下腺炎、風疹の混合ワクチン)を受ける15か月の子ども114人が対象となり、ランダムに砂糖水を飲ませるグループ59人と、水を飲ませるグループ55人に分けられました。
◆泣く時間が短くなった
次の結果が得られました。
介入群の子どもの泣く時間(平均18秒)は対照群(平均33秒)よりも短かった。
水を飲ませたグループでは平均33秒泣いていましたが、砂糖水を飲ませたグループでは平均18秒で泣き止みました。
研究班は「この試験は、経口30%スクロースによって、15か月の子どもが予防接種を受けるときに落ち着かせ、痛みを和らげる効果があることを明らかにした」と結論しています。
本当に痛みが軽くなっているのかは子どもに聞けないのでわかりませんが、結果として泣き止みはするようです。ひとつの方法と思ってもいいのかもしれません。
執筆者
The effect of sucrose as pain relief/comfort during immunisation of 15-month-old children in health care centres: a randomised controlled trial.
J Clin Nurs. 2016 Feb.
[PMID: 26818364]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。