おたふく風邪(流行性耳下腺炎、ムンプス)はどうやって診断するのか?検査はどんなことを行う?
おたふく風邪は主に、
1. おたふく風邪の診断方法について
おたふく風邪は主に、問診と身体診察によって診断されます。問診と身体診察で診断がつかない場合には、血液検査や微生物検査などの検査を行うこともあります。おたふく風邪の診断を確定させることで、似た症状を来たす他の病気と区別することができます。
2. 問診
問診では、いつからどんな症状があるのか、周囲でおたふく風邪が流行っているか、おたふく風邪にかかったことがあるか、おたふく風邪の予防接種を打っているか(打っている場合、時期と回数)などを医師に伝えます。予防接種歴は母子手帳を見せると良いでしょう。耳下腺の腫れや発熱などおたふく風邪を疑う症状があって、学校や家族内など周囲でおたふく風邪が流行っている場合にはおたふく風邪の可能性があります。過去におたふく風邪にかかったことも予防接種を打ったこともない人では、その可能性が最も高くなります。ただし予防接種を打った人でも、おたふく風邪の症状と周囲の流行があれば、おたふく風邪を
3. 身体診察
身体診察ではまず体温を測り熱が出ているかどうかを調べます。そして医師が視診・触診(患部を目で見て手で触れて診察)します。視診・触診では耳の前下方にある耳下腺が腫れているか、触れると痛むかを確認します。耳下腺が腫れていると顎のあたりの輪郭が丸くなり、下顎角(耳の下の方にあって、エラと言われる顎の角の部分)の場所が不明瞭になります。
4. 血液検査(血清学的検査)
問診と身体診察で診断がつかない場合、血液検査を行うことがあります。血液検査では、
ただしIgMは、おたふく風邪発症からまもなくの検査では数値が上がっていないことや、おたふく風邪の予防接種を受けたことのある人では数値が上がらないことがあるため、結果の解釈には注意が必要となります。
5. 微生物検査
問診と身体診察で診断がつかない場合、微生物検査をすることがあります。おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスを調べるのが微生物検査です。微生物検査には、ウイルスそのものを分離する方法と、ウイルス遺伝子を検出する方法があります。
ウイルス分離
おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスそのものを見つけ出す方法で、最も直接的な診断方法です。ムンプスウイルスは唾液に多く排出されるため唾液を採取します。発症後できるだけ早期(0-2日以内)に採取する必要があり、検査をしてから結果が出るまでに1-3週間の時間がかかります。
PCR法
ムンプスウイルスの遺伝子を検出する方法で、RT-PCR法やReal-time PCR法などがあります。検査は数時間で行われ、
6. 髄膜炎が疑われたときに行われる検査
おたふく風邪の
髄膜炎が疑われたときには
髄液検査
脳と