たはつせいけっかんえんせいにくげしゅしょう(うぇげなーにくげしゅ)

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)

全身の細い血管に炎症が起きる病気。主に鼻、肺、腎臓がダメージを受けやすい。

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13人の医師がチェック 145回の改訂 最終更新: 2017.07.21

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)の基礎知識

POINT多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)とは

免疫細胞の異常により、全身の血管が攻撃される病気です。主に鼻、肺、腎臓が障害されやすいです。汚い鼻水が続いたり、息苦しさ、血痰、血尿を自覚します。血液検査でANCAというこの病気と関連が知られる抗体を確認します。その他、尿検査、生検検査(腎臓や皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる)、レントゲン検査、CT、MRIなども行います。治療としてはステロイド、免疫抑制薬、リツキシマブなどの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)について

  • 全身の細い血管に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起きる病気
    • 特に病気がよく起こる場所として、上気道空気の通り道のうち、鼻からのど(気管)までの総称。対義語である下気道は、気管支と肺を指す(鼻やのど)、肺、腎臓である
    • 自己免疫疾患本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう病気の総称の一種であると考えられている
    • 破壊された血管のまわりには「肉芽種」と呼ばれる白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担うが集まった所見検査や診察から分かる情報のことが確認される
    • 似たようなメカニズムで起こる病気
      顕微鏡的多発血管炎
      チャーグストラウス症候群
        ※ただし多発血管炎性肉芽腫症は上記疾患に比べ再発が多いのではないかと考えられている
  • 30-60歳に多い
  • 厚生労働省より難病指定されている(特定疾患)

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)の症状

  • 大きく4つの症状に分けられる
    • 頭頸部(上気道空気の通り道のうち、鼻からのど(気管)までの総称。対義語である下気道は、気管支と肺を指す、眼、耳)の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出る
    • 肺の症状
    • 腎臓の炎症
    • 全身の血管の炎症
  • 頭頸部(上気道、眼、耳)の炎症
    • 鼻の粘膜の損傷
    • 鼻血
    • 汚い鼻水が続く
    • 副鼻腔炎
    • 口内炎
    • 眼の痛み
    • 中耳炎
    • 難聴
    • 頭痛(肥厚性硬膜脳や脊髄を包む3層の膜(髄膜)のうち、最も外側にある厚い膜。頭蓋骨のすぐ内側にある炎)
  • 肺の炎症
    • 血痰血液が混じった痰。肺の病気で起こる
    • 息苦しさ
      ※しばしば肺の中に結節性(こぶのような形)の病変病気が原因となって体に生じた、あるいは変化が起きた、その特定の部位のことを作る
  • 腎臓の炎症(腎炎):進行した場合に生じる
    • 足のむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる
    • 急な高血圧
    • 血尿尿に血液成分が混じった状態。尿の通り道に病気があると起こる。血尿といっても真っ赤とは限らず、見た目は普通で、検査をしないと血尿であることが分からない場合も多い
    • 泡立った尿(蛋白尿尿中にタンパク質が多く含まれること。病気による影響の場合と、正常な反応の場合がある
  • 全身の血管の炎症
    • 発熱
    • 体重の減少
    • 関節の痛み(関節炎)
    • 手足のしびれ
       など

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)の検査・診断

  • 確定診断できる有用な検査はなく、様々な検査を組み合わせて診断
  • 血液検査:血管炎かどうか、腎臓の障害があるかどうかなどを調べる
    • 抗好中球細胞質抗体血液の中の好中球に対する自己抗体(自分の体を誤って攻撃してしまう免疫物質)の一種。血管炎などの病気で見られることが多い(PR3-ANCA血液の中の好中球に対する自己抗体(自分の体を誤って攻撃してしまう免疫物質)の一種。血管炎などの病気で見られることが多い、c-ANCA)が検出されることが特徴
  • 画像検査:肺に炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こっていないかなどを調べる
    • 胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われるX線X線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査写真)
    • 胸部CTX線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い
  • 組織診病気を詳しく調べるために、体や病変の一部を切除して顕微鏡で調べる検査。例えば、腫瘍ががんか否かを調べる時などに行われる生検病気(病変)の一部を採取すること。また、それを顕微鏡で詳しく調べる検査のこと。病気の悪性度の確認や、他の検査では診断が難しい病気の診断のために行われる、組織診:鼻、肺、腎などの組織を取って顕微鏡で観察する

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)の治療法

  • 主な治療は薬を使って炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るを抑える
    • ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている
    • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制薬
      ・シクロフォスファミド(商品名エンドキサン)
      ・アザチオプリン(商品名イムラン、アザニン)
      ・メトトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレート)
    • 分子標的薬
      ・リツキシマブ(商品名リツキサン)
  • 重症例では血漿交換血液中の、病気を引き起こしている有毒物質や抗体などを取り除く治療を行うことがある
  • 使用する薬剤は全身の炎症の程度や腎炎の有無・重症度によって変わる
  • 病状が落ち着けば、ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているを飲む量は可能な限り少しづつ減らしていく
  • 免疫が抑えられることにより感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称が起きやすくなるので注意が必要

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫)に関連する治療薬

分子標的薬(リツキシマブ〔ヒト型抗CD20モノクローナル抗体〕)

  • CD20抗原というタンパク質を表面にもつB細胞(リンパ球)やB細胞性リンパ腫細胞に結合し、結合した細胞を破壊(溶解)することでこれらの細胞の増殖を抑える薬
    • 悪性リンパ腫は白血球の一種であるリンパ球のがんで、CD20抗原というタンパク質がB細胞性リンパ腫細胞などの細胞表面で多く発現している
    • 多発血管炎症性肉芽腫症はリンパ球(B細胞、T細胞など)の活性化などによりおこるとされる
    • 本剤はCD20抗原に結合することでCD20陽性のB細胞などを溶解する作用をあらわす
  • 本剤は難治性のネフローゼ症候群などに使用する場合もある
  • 本剤は特定分子の情報伝達などを阻害することで抗腫瘍効果をあらわす分子標的薬となる
分子標的薬(リツキシマブ〔ヒト型抗CD20モノクローナル抗体〕)についてもっと詳しく

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