しきゅうたいがん(しきゅうないまくがん)
子宮体がん(子宮内膜がん)
子宮の内側を覆っている子宮内膜からできるがん。子宮内膜がんとも言われる。
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最終更新: 2024.07.31
子宮体がん(子宮内膜がん)の基礎知識
POINT 子宮体がん(子宮内膜がん)とは
子宮体部の内膜とうい部位に発生する悪性腫瘍(がん)です。閉経後の女性に多く、不正出血から発見されることがあります。発病に関与するものとしては、肥満・出産経験がないこと・初潮が早いこと・閉経が遅いこと・エストロゲン製剤の内服などが考えられています。内診(女性器の診察)や超音波検査、子宮内膜の組織の生検などで診断します。子宮体がんと診断された場合にはMRI検査やCT検査などの画像検査で病気の進行度が確認されます。がんが初期で妊孕性温存(妊娠したい)希望がある人には、ホルモン治療が選択されることもありますが、基本的には手術療か抗がん剤で治療します。手術の結果を踏まえて最終的ながんの進行度が判断されるので、その程度に応じて抗がん剤治療が追加されることがあります。子宮体がんについて心配がある人や、不正出血がある人は産婦人科を受診してください。
子宮体がん(子宮内膜がん)について
子宮体がん(子宮内膜がん)の症状
- 主な症状は不正性器出血
- 特に閉経後の出血は早めに検査をする必要がある
- その他に、稀ではあるが以下のような症状が出ることもある
- おりもの
- 排尿痛
- 性交中の痛み
- 下腹部の痛み など
子宮体がん(子宮内膜がん)の検査・診断
内診 、直腸診:子宮の入り口や周りに異常なものが触れないかなどを調べる- 子宮鏡検査:子宮の中を
内視鏡 で調べる 細胞診 :綿棒でこすって付いた細胞が、がん 細胞でないかを顕微鏡で調べる生検 :腫瘍 を一部切り取り、がんが含まれていないかどうかを調べる- 画像検査:腫瘍の大きさや位置、広がりなどを調べる
腹部超音波検査 腹部CT検査 MRI 検査
- 子宮体がんの
ステージ は「がんの深さ」「がんの広がり」「転移 の広がり」で決定される
子宮体がん(子宮内膜がん)の治療法
- 治療の中心は手術
- 基本的には手術が行われる
- 妊娠の可能性を残すために、初期で
悪性度 が低いものに限り、ホルモン 療法が行われることがある - その場合でも、ホルモン療法の効果が見られない場合には手術が行われる
- 体の状態が悪く手術に耐えられない人には
放射線治療 を行うことがある - 再発や
転移 した人にはシスプラチンという薬を中心とした抗がん剤治療 が行われる
5年生存率 は早期で治療ができれば90%以上を超えることもある
子宮体がん(子宮内膜がん)に関連する治療薬
NK1受容体拮抗薬
- 抗がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
- 抗がん薬投与による悪心・嘔吐は延髄に嘔吐中枢に刺激が伝わりおこる
- 脳のCTZや中枢神経に多く存在するNK1(ニューロキニン1)受容体が作用を受け嘔吐中枢に刺激が伝わる
- 本剤はNK1受容体を阻害することで嘔吐中枢への刺激を抑える
- 原則として、5-HT3受容体拮抗薬(吐き気止め)と併用する
5-HT3受容体拮抗薬
- 抗がん薬による嘔吐中枢への刺激を阻害し、悪心(吐き気)・嘔吐を抑える薬
- 抗がん薬投与による悪心・嘔吐はいくつかの経路によって延髄にある嘔吐中枢に刺激が伝わることでおこるとされる
- 伝達物質セロトニンは脳のCTZ(化学受容器引金帯)や消化管にある5-HT3受容体を介して嘔吐中枢へ刺激を伝える
- 本剤は5-HT3受容体への拮抗作用により、嘔吐中枢への刺激を阻害する
- 薬剤によっては、放射線照射や手術後における消化器症状(吐き気など)に使う場合もある