しきゅうないまくぞうしょくしょう
子宮内膜増殖症
子宮の内側を覆う内膜が必要以上に増え、異常に厚くなってしまう状態。このうち一部は子宮体がんへ進行するため検査が必要
11人の医師がチェック 140回の改訂 最終更新: 2017.12.06

子宮内膜増殖症の基礎知識

子宮内膜増殖症について

  • 子宮の内側を覆う内膜が必要以上に増え、異常に厚くなってしまう状態
    • 女性ホルモンエストロゲン)の作用過剰が原因として考えられる
    • 子宮内膜増殖症は細胞1つ1つの形が崩れているかどうかでまず2つに分類される(細胞異型)
    • さらに細胞がどのように連なっているか、全体の形が崩れているかで、それぞれが2つに分けられる(構造異型)
      ・単純型子宮内膜増殖症(細胞に異型なし、構造も異常なし)
      ・複雑型子宮内膜増殖症(細胞に異型なし、構造に異型あり)
      ・単純型子宮内膜異型増殖症(細胞に異型あり、構造に異常なし)
      ・複雑型子宮内膜異型増殖症(細胞に異型あり、構造に異型あり)
  • 異型のない単純型子宮内膜増殖症は60%以上が自然に治る
  • 子宮内膜増殖症は「子宮体がん(子宮内膜がん)」の一歩手前の状態として扱われる
    • 増殖した細胞にがんになりそうな細胞(異型細胞)がある場合は子宮内膜異型増殖症と呼ばれ注意する必要がある
    • 子宮内膜異型増殖症の場合、20-30%程度ががんに進行すると言われており、子宮内膜増殖症が見つかったときに、すでにがんと合併している場合も多い
  • 月経不順や無月経の女性、40歳代〜50歳代の女性に起こりやすい
  • 子宮内膜増殖症があっても妊娠できる
    • 妊娠したときは正常に出産できる
    • 子宮を取り除く手術をすると妊娠できなくなるが、妊娠を希望する場合はホルモン療法(プロゲステロン)もある

子宮内膜増殖症の症状

  • 主な症状は性器からの不正出血
  • その他の症状
    • 月経での出血量が多い
    • 強い貧血
    • だるさ
    • 動悸
  • これらの症状だけでは他の病気と区別がつかないため、検査が必要

子宮内膜増殖症の検査・診断

  • 大きく分けて、次のステップにしたがって検査を進める
    • 子宮内膜増殖症かどうかの診断
    • 子宮内膜増殖症だった場合、単なる増殖症か、異型増殖症かの診断
    • 異型増殖症だった場合、異型増殖症だけか、それとも子宮体がんに進んでいるのか
  • 腹部超音波検査子宮内膜の厚さを調べる
    • 最初の診断のために最も重要な検査
    • 閉経後の女性で5mm以上、閉経前の女性では20mm以上であることを1つの目安とする場合があるが、それ以下でもがんが見つかることもある
  • 子宮内膜が厚いことが確認された場合
    • 組織診:内膜の異型細胞(がん化する前の段階の細胞)の有無を調べる
      ・この検査で、子宮内膜の増殖症なのか異型増殖症なのかを判断する
  • 子宮内膜異型増殖症やそれ以上の悪性病変が疑われた場合
    • 内膜全面掻爬:子宮内膜組織をかきとって行なう病理組織検査(麻酔がかかった状態で行う)
      ・この検査で、子宮体がんになっていないかどうかを調べる

子宮内膜増殖症の治療法

  • 以下のことなどを考慮しつつ治療法が決まる
    • 患者の年齢
    • 組織型
    • 細胞異型度
    • 妊娠・出産の希望の有無
  • 異型のない子宮内膜増殖症の場合
    • がん化率が低く、通常6割以上が自然に治るため、基本的には経過を見る
    • 定期的に婦人科へ通い、内膜細胞診を行う
    • 若年者の無月経が原因と考えられる場合は、排卵誘発療法を行う
    • 周期的黄体ホルモン(プロゲステロン)療法
      ・プロゲステロンという別の女性ホルモンを投与して、エストロゲンの量を抑える
  • 子宮内膜異型増殖症の場合
    • 自然治癒は期待しにくい
    • 妊娠希望がない場合は子宮全摘除術(子宮を取り除く手術)を行う
    • 将来的な妊娠を強く希望する場合の治療として、高用量の黄体ホルモン療法がある


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