けんびきょうてきたはつけっかんえん
顕微鏡的多発血管炎
細い血管を自分の免疫が攻撃することで炎症が起き、主に腎臓や肺に障害を起こす病気
5人の医師がチェック 72回の改訂 最終更新: 2018.01.17

顕微鏡的多発血管炎の基礎知識

POINT 顕微鏡的多発血管炎とは

免疫細胞の異常により、全身の血管が攻撃される病気です。主に肺、腎臓が障害されやすいです。症状として発熱、体重減少、息苦しさ、血痰、血尿、紫色の発疹があります。血液検査でANCAというこの病気と関連が知られる抗体を確認します。その他、尿検査、生検検査(腎臓や皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる)、レントゲン検査、CTも行います。治療としてはステロイド、免疫抑制薬、リツキシマブなどの薬剤を使用します。気になる方はリウマチ内科、膠原病内科を受診してください。

顕微鏡的多発血管炎について

  • 細い血管を自分の免疫が攻撃することで炎症が起き、主に腎臓や肺に障害を起こす病気
    • 自己免疫の異常が関連している(ANCAと呼ばれる抗体との関連が知られる)
  • 毎年約1400人が新たに発症していると言われている
    • 70歳以上の高齢者に多い
  • 薬剤(甲状腺機能亢進症治療薬など)で誘発されるものもある

顕微鏡的多発血管炎の症状

  • 以下の症状のうち、いくつかあらわれる
  • 全身症状
    • 発熱
    • 体重減少
    • 倦怠感
  • 目の症状
    • 目の充血
    • 目の痛み
  • 肺の症状
    • 息苦しさ
    • 血痰
  • 消化管症状
    • 腹痛
    • 血便
    • 下血
  • 腎臓の症状
    • 血尿
    • 蛋白尿
  • 神経症状
    • 手足のしびれ
    • 手足の麻痺

顕微鏡的多発血管炎の検査・診断

  • 血液検査
    • 炎症反応 (CRP/ESR)
    • 腎機能検査など内臓の障害の有無の確認
    • 抗体検査(ANCAの有無を確認)を行う
  • 尿検査
  • 画像検査
    • 胸部レントゲンX線写真)検査
    • 胸部CT検査
  • 生検検査:皮膚、肺、腎臓などの血管の炎症を確認する
  • その他、悪性腫瘍感染症でも類似の症状が出現することがあるため、注意が必要である

顕微鏡的多発血管炎の治療法

  • ステロイド薬免疫抑制薬の使用が基本
  • ステロイド薬
    • 症状が強いときはしっかりとステロイド薬で炎症を抑えて、状態が改善してきたら徐々に薬の量を減らしていく
    • 病気の進行が早い場合は点滴により大量のステロイド投与(ステロイドパルス)を行う
    • 多い量のステロイドを長期に内服することで、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症など様々な副作用が問題となる
    • そのためステロイドに加え免疫抑制薬を一緒に使い、ステロイド使用量が極力増えないようにする
      ステロイドや免疫抑制薬の副作用を予防するための薬も最初から併用して内服することも多い
  • 免疫抑制薬
    • 比較的軽症の場合
      ・アザチオプリン、メトトレキサートなどの免疫抑制薬を用いる
    • 重症の場合
      ・シクロホスファミドやリツキシマブ(※)を用いる
      ※リツキシマブはもともと悪性リンパ腫の治療薬であったが、近年顕微鏡的多発血管炎でも有効であることが分かり、日本でも適応が認められた
  • 肺胞出血や急性腎不全を来している症例では血漿交換(血液の一部を置換し、抗体を除去する)を行うこともある

顕微鏡的多発血管炎のタグ

顕微鏡的多発血管炎に関わるからだの部位

医師登録をしてMEDLEYの編集に協力する