検査部位
心臓
対象疾患
概要
右心
メリット
- 右房圧、右室圧、肺動脈圧を
心臓エコー検査 などの他の検査より正確に測定できる - 右房、右室の血中酸素濃度を測定することで
シャント を見つけることができる(詳しくは後述)
デメリット
- 侵襲的検査(体内に器具を入れて行う検査)であるため、危険を伴うことがある。重篤な状態になることは極めてまれであるが、考えられるリスクとして以下が挙げられる
詳細
右心カテーテル検査(心内圧検査、酸素飽和度測定)とは、心臓カテーテル検査の一つです。心臓カテーテル検査とは、カテーテルと呼ばれる細い管を手足の血管から心臓に向かって挿入していき、心臓の部屋や血管を調べる検査です。
心臓には右心房、右心室、左心房、左心室という四つの部屋があります。大静脈を通って全身から戻って来た血液は右心房から右心室へと流れ、肺へ向かいます。肺で酸素を取り込んだ後、左心房から左心室に流れていき
右心カテーテル検査ではスワンガンツカテーテルという専用のカテーテルを用いて検査を行います。右心カテーテル検査では心臓の圧力を調べる心内圧検査や、血中の酸素の量を調べる酸素飽和度測定を行うことにより、心疾患の診断や、それぞれの患者の病態に適した治療法を決定に役立てられます。検査の所要時間は30分程度です。
検査の流れ
- カテーテルを挿入する場所に局所麻酔をする
- 大腿静脈(足の付け根)、内頸静脈(首)、鎖骨下静脈(鎖骨の下)、尺側皮静脈(肘の内側)などから先端にバルーン(風船)のついたスワンガンツカテーテルという管が挿入される
- カテーテルが心臓まで到達すると、上・下大静脈、右心房、右心室、肺動脈と進められる。それぞれの場所で、圧力を調べる心内圧検査と血中の酸素の量を調べる酸素飽和度(SO2)測定を行う
- 肺動脈の圧力を測定する。バルーンを膨らませた状態での圧力を肺動脈楔入圧(PAWP)と言う
- カテーテルが取り出される
※肺動脈楔入圧(PAWP)とは
上で述べたように、肺動脈楔入圧とはバルーンを肺動脈で膨らませたときの肺動脈の圧力です。血液の流れで言うと肺動脈の手前側には右心室がありますが、バルーンによって右心室からの圧を遮断していることになります。よって、このとき測定されている肺動脈の圧は肺動脈の奥側の圧力(左房圧、左室拡張末期圧)と等しくなります。左心房や左心室までカテーテルを通さずに、その圧力を測定できます。
検査を受ける際の注意点
- 検査中の心拍数や血圧を測定するために
心電図 を取りながら行います。 - 局所麻酔の際に針を刺す痛みを少し感じることがありますが、その他に強い痛みを感じることはありません。
- 検査直前の食事は避けるか、軽めにしてください。
- 検査後は数時間安静にして、止血のためにカテーテルを挿入した場所の圧迫固定をする必要があります。
- 過去にアレルギーを起こしたことがある場合(特に麻酔や造影剤によるものの場合は注意が必要)は医師に伝えるようにしてください。
検査でわかること
心臓の圧力や酸素飽和度から病気を診断することができます。以下にいくつか例を挙げます。
【肺高血圧症】
肺高血圧症では、名前の通り肺動脈圧が上昇します。左心房や左心室などの左心系の圧力を示す肺動脈楔入圧(PAWP)も同時に上昇している場合は、左心系にも負荷がかかっているということになります。よって、左心系の心疾患が原因で肺動脈圧が上がっていると考えられます。一方、肺動脈圧が上昇していても肺動脈楔入圧(PAWP)が正常の場合は、肺動脈そのものに原因があって肺動脈圧が上がっていると考えられます(肺動脈性肺高血圧症)。
【肺動脈狭窄症】
肺動脈狭窄症は肺動脈が狭くなる病気です。肺動脈は右室から肺へ向かう動脈ですが、狭くなっている分、血液を送るのに右心室の負担が増えます。そのため、右心室の圧力が上昇します。
【心房中隔欠損症、心室中隔欠損症など】
本来、左右の心房は心房中隔という壁で、左右の心室は心室中隔と呼ばれる壁で隔てられています。しかし、生まれつきの異常でこれらに穴が空いていると(心房中隔欠損症、心室中隔欠損症など)、左側の部屋(左心房・左心室)から右側の部屋(右心房・右心室)へ血液が漏れ出ます。これをシャントと呼びます。
一般に左側の部屋は肺で酸素を補われた血液が流入するので酸素濃度が高いのに対し、右側の部屋は酸素が補われる前の血液なので酸素濃度が低いです。そのため、もし右側の部屋の酸素濃度が高い場合にはシャントの存在を疑うきっかけになります。