手首が痛い、しびれ、違和感(数日以内)

手首が痛い、しびれ、違和感(数日以内)の基礎知識

概要

手首の痛みは手首の酷使に伴う腱鞘炎や、ケガに伴う捻挫からくることが多いです。強い力がかかったケガをしたわけではなく、痛みや痺れも軽度であれば数日様子をみることは多くの場合可能です。

痛みが3日以上続く、痛みが強くてほとんど手首を動かせない、見た目で強く腫れている、手首に大きな力がかかるようなケガをした、などであれば整形外科を受診してください。痛みが強すぎて耐えられないようであれば、夜間休日は救急外来の受診も検討してください。

原因とメカニズム

手首の関節は多くの骨、筋肉、腱で構成されています。痛みを生じる原因は筋肉や腱、骨に原因がある場合など人によって異なります。以下で考えられる原因について解説します。

考えられる病気やケガ

手首が痛くなる原因として考えられる病気・ケガには以下のようなものがあります。

腱鞘炎

腱鞘炎では、手首の親指側に痛みがでることが多いです。スマートフォンの使いすぎ、指を多く使う作業、赤ちゃんの抱っこ、など親指の酷使が原因となります。

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は転倒する際に手をつくと起こしやすい骨折です。手首の親指側の骨が折れます。骨粗鬆症のある高齢者に多いタイプの骨折ですが、かかる力の強さによっては子どもや若い人でも起こります。

手関節捻挫

手関節捻挫は手をついたり、手を捻ったりすることで手首の靭帯が損傷した状態です。靭帯が少し伸びてしまっただけの軽症から、部分的に切れたり、完全に切れてしまう重症まで程度は様々です。

ドケルバン病

ドケルバン病は腱鞘炎の一種で、狭窄性腱鞘炎とも呼ばれます。親指を動かすと手首に痛みが走ります。手や指をよく使う人、糖尿病関節リウマチがある人、血液透析を受けている人などで発症しやすいです。

キーンベック病

キーンベック病では、手首の中央にある月状骨が潰れて痛みが起こります。月状骨は血液が行き渡りにくい骨であることが原因と言われています。手をよく使う壮年の男性に起こりやすい病気です。

ガングリオン

ガングリオンは比較的若い女性に多い病気で、ゼリー状のコブが手首の周りなどにできます。症状はでないことが多いですが、ガングリオンが神経を圧迫すると痛みや痺れを起こすことがあります。

変形性手関節症

変形性手関節症は手首の軟骨が摩耗した状態です。もともと何らかの手首の病気があって、10年近い長い時間をかけて手首の変形が進行していきます。

手根管症候群

手根管症候群では、手の親指側に痺れや痛みが現れます。手首にある手根管という腱や神経が走るトンネルのような空間が狭くなることによって、正中神経という神経が圧迫されて症状が起こります。

受診の目安

以下のような人は整形外科の受診を検討してください。

・痛みや痺れが3日以上続く
・痛みが強くて手首がまともに動かせない
・強い外力がかかって手首を負傷した
・見た目で強く腫れている

激烈な痛みがある、その他の強い症状がある、などであれば様子を見ないで速やかに受診してください。その場合は、夜間休日であれば救急外来で構いません。しかし、基本的には平日の日中に整形外科の専門医に診てもらうのが望ましいです。

診療科

整形外科

手首の痛みの診断・治療に精通しています。近くの整形外科を受診するようお勧めします。整形外科の中でも手は専門性の高い部位なので、必要に応じて手や手首が専門の整形外科に紹介してもらえます。

救急科

整形外科の専門医に平日の日中に診てもらうのが望ましいですが、それまで様子を見られないほどの強い痛みや腫れがあれば、救急外来を受診することも検討してください。

検査

手首の痛みに関連した検査には、次のようなものがあります。

レントゲン検査

骨折の有無を簡単に調べることができます。

CT検査

骨折の有無を精密に調べることができます。

MRI検査

骨や周囲の腱の様子を精密に調べることができます。

治療

原因により治療は異なりますが、基本はなるべく負荷をかけないことと痛み止めの使用となります。

セルフケア

痛い時に無理に手首に負荷を与えると、病状が悪化することが多いです。痛い時は無理せずなるべく安静にして、痛みが引かない時や繰り返す時は整形外科を受診してください。

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