きーんべっくびょう(げつじょうこつなんかしょう)
キーンベック病(月状骨軟化症)
月状骨(手首の骨の一つ)の壊死により手首に痛みが起こる病気。手をよく使う若い労働者に起こりやすい
3人の医師がチェック 52回の改訂 最終更新: 2022.03.23

キーンベック病(月状骨軟化症)の基礎知識

POINT キーンベック病(月状骨軟化症)とは

月状骨(手首の骨の一つ)が壊死(骨の細胞が死んで機能を失った状態)のことで、手首に痛みが起こります。手を使う若い人に多く、特に、スポーツ選手や大工、農漁業に関係する人に多いとされています。原因は不明ですが、月状骨はもともと血流が少ないので、血流が悪くなりやすく、その影響で壊死が起こると考えられています。キーンベック病になると、片方の手首が腫れて痛みが起こり、握力の低下を起こすことがあり、疑われる人には画像検査(レントゲン検査やMRI検査など)が行われ診断されます。症状が軽い場合には保存的治療(安静・装具による固定・鎮痛剤の使用)によって改善しますが、骨の変形が強い場合や痛みが強い場合は手術を行います。キーンベック病が心配な人は整形外科を受診してください。

キーンベック病(月状骨軟化症)について

  • 手首の骨(月状骨)の壊死により手首に痛みが起こる病気
  • 手をよく使う若い労働者に起こりやすい
    • 20-30歳代くらいの、スポーツ選手、大工、農漁業に関係する人に多い
    • 手を使う労働者の中で10万人あたり3000-5000人程度と言われている
    • 男性に多い
  • 原因は不明
    • 月状骨の血流障害や、手の使いすぎなどが関わっていると考えられている
    • 月状骨は元々血流の少ない骨なので症状が出やすい

キーンベック病(月状骨軟化症)の症状

  • 片方の手首の痛み、はれが起こる
    • 利き腕に起こることが多い
    • 手首の中央、甲側(背面)を押すと痛みが強くなる
  • 握力の低下
  • 起床時や作業後に症状が強くなる
  • 症状が強くなると以下のような症状もでる
    • 手首の動く範囲が狭くなる
    • 安静にしているとき、寝ているときも痛む
    • 正中神経麻痺   など

キーンベック病(月状骨軟化症)の検査・診断

  • 画像検査:骨の変形など状態を確認する
    • レントゲン検査:X線を利用した検査
    • CT検査:X線を利用した検査で、被ばく量はレントゲン検査より多い
    • MRI検査:磁気を利用した検査

キーンベック病(月状骨軟化症)の治療法

  • 症状や年齢などで行われる治療法が変わる
  • 症状が軽く骨の変形も殆ど無い場合は保存療法を行う
    • あまり手を使わないように安静にする
    • ギプスによる固定やサポーターを装着する
    • 数ヶ月程度たっても回復しない場合は、必要に応じて手術を検討する
  • 骨の変形が強い場合などは手術を行う
    • 月状骨への圧迫を減らす手術
    • 血行再建術
    • 月状骨摘出術+代替物置換術   など

キーンベック病(月状骨軟化症)のタグ

診療科
からだ