きーんべっくびょう(げつじょうこつなんかしょう)
キーンベック病(月状骨軟化症)
月状骨(手首の骨の一つ)の壊死により手首に痛みが起こる病気。手をよく使う若い労働者に起こりやすい
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最終更新: 2022.03.23
キーンベック病(月状骨軟化症)の基礎知識
POINT キーンベック病(月状骨軟化症)とは
月状骨(手首の骨の一つ)が壊死(骨の細胞が死んで機能を失った状態)のことで、手首に痛みが起こります。手を使う若い人に多く、特に、スポーツ選手や大工、農漁業に関係する人に多いとされています。原因は不明ですが、月状骨はもともと血流が少ないので、血流が悪くなりやすく、その影響で壊死が起こると考えられています。キーンベック病になると、片方の手首が腫れて痛みが起こり、握力の低下を起こすことがあり、疑われる人には画像検査(レントゲン検査やMRI検査など)が行われ診断されます。症状が軽い場合には保存的治療(安静・装具による固定・鎮痛剤の使用)によって改善しますが、骨の変形が強い場合や痛みが強い場合は手術を行います。キーンベック病が心配な人は整形外科を受診してください。
キーンベック病(月状骨軟化症)について
- 手首の骨(月状骨)の
壊死 により手首に痛みが起こる病気 - 手をよく使う若い労働者に起こりやすい
- 20-30歳代くらいの、スポーツ選手、大工、農漁業に関係する人に多い
- 手を使う労働者の中で10万人あたり3000-5000人程度と言われている
- 男性に多い
- 原因は不明
- 月状骨の血流障害や、手の使いすぎなどが関わっていると考えられている
- 月状骨は元々血流の少ない骨なので症状が出やすい
キーンベック病(月状骨軟化症)の症状
- 片方の手首の痛み、はれが起こる
- 利き腕に起こることが多い
- 手首の中央、甲側(背面)を押すと痛みが強くなる
- 握力の低下
- 起床時や作業後に症状が強くなる
- 症状が強くなると以下のような症状もでる
- 手首の動く範囲が狭くなる
- 安静にしているとき、寝ているときも痛む
- 正中神経
麻痺 など
キーンベック病(月状骨軟化症)の検査・診断
- 画像検査:骨の変形など状態を確認する
レントゲン 検査:X線 を利用した検査CT 検査:X線を利用した検査で、被ばく量はレントゲン検査より多いMRI 検査:磁気を利用した検査
キーンベック病(月状骨軟化症)の治療法
- 症状や年齢などで行われる治療法が変わる
- 症状が軽く骨の変形も殆ど無い場合は
保存療法 を行う- あまり手を使わないように安静にする
- ギプスによる固定やサポーターを装着する
- 数ヶ月程度たっても回復しない場合は、必要に応じて手術を検討する
- 骨の変形が強い場合などは手術を行う
- 月状骨への圧迫を減らす手術
- 血行再建術
- 月状骨摘出術+代替物置換術 など