あたまがいたい
頭が痛い(数日以内)

めまいをともなう頭痛の原因について

めまいをともなう頭痛の原因で多いのは肩こりによる緊張型頭痛です。一方で、くも膜下出血など命に関わる病気も似た症状を現す場合があり、重篤な病気なので、緊張型頭痛とは異なり速やかに対応する必要があります。このページではめまいをともなう頭痛の原因ごとに出やすい症状を説明していきます。

1. 緊張型頭痛の症状について

頭痛がするだけでも怖いのに、目の前がふわふわ、くらくら、あげくの果てにはグルグルと回転し始めたら、「自分はとても怖い病気にかかったんじゃないだろうか?」と心配になるかと思います。

めまいをともなう頭痛で、特に多くの人に現れるのが緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)です。緊張型頭痛は肩こりが原因と言われる頭痛で、頭痛全体の中でも多くを占めています。

典型的な緊張型頭痛の特徴は次のようになります。

筋緊張型頭痛の特徴】

  • 頭の両側が痛い
  • 締め付けられるような痛さ
  • 片頭痛(偏頭痛)ほど痛くないので、日常生活(家事や仕事)はできる
  • 吐き気や嘔吐はない

緊張型頭痛とともに起こるめまいは「ふわふわした感じ」であるのが特徴的です。ふらふら、くらくらして立っていられなくなる感じです。一方で、目の前がグルグル回転する感じになることは多くはないので、ふわふわしためまいをともなう頭痛の原因は緊張型頭痛の可能性が高いといえます。

その他に心配な症状があれば、危険な状態を見分けるために、神経内科などの病院・クリニックで診察を受けてください。診察やCT検査などを行った結果、重篤な病気がかくれていなければ、「肩こりから来る頭痛ですよ。心配しないでください。」と安心する声をかけてくれると思われます。

2. 片頭痛(偏頭痛)でめまいは出るのか

片頭痛でめまいがすることは多くありません。頭痛の原因として多いのは緊張型頭痛と片頭痛なのですが、ふわふわしためまいを伴っていた場合、まずは緊張型頭痛が考えられます。

片頭痛は若い人、特に20代から40代の女性に多いタイプの頭痛です。

【典型的な片頭痛の症状】

  • 頭の片側が痛い
  • ズキズキ、ドクドク、ガンガンと拍動するような痛み
  • 歩いたり、階段を昇り降りしたりすると悪化して、日常生活に支障が出るほどの痛み
  • 痛みは4時間から3日程度続く         
  • 吐き気や嘔吐をともなう
  • 光や音に対して敏感になる

緊張型頭痛と片頭痛が両方起こることもあります。めまいと片頭痛があって、実は同時に起こっていた緊張型頭痛がめまいの原因だったという場合も考えられるので、めまいの有無だけで原因を特定することは困難です。

3. 更年期障害

女性の体の中のエストロゲンという女性ホルモンの量は、40代半ばから減っていき、50歳頃で閉経(月経が終了すること)に至ります。閉経前後のホルモンバランスの変化が体にさまざまな症状を現すことがあり、更年期障害(こうねんきしょうがい)と言いますめまいや耳鳴りを感じる人もいれば、頭痛が現れる人もいます。

更年期障害の症状について】

  • 冷え
  • のぼせ
  • 発汗
  • イライラ
  • 頭痛
  • 頭が重い感じ
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 動悸(どうき)

更年期障害の治療にはホルモン剤や、漢方薬、自律神経を整える薬などが使われます。また心理的な要素が症状に影響していると考えられる場合には、ストレスへの対処や心理療法も治療になります。
更年期障害の症状について詳しくは更年期障害の詳細ページで説明しているので参考にしてみてください。

4. 自律神経失調症

自律神経失調症は、ストレスなどを原因として、自律神経のバランスが乱れて、体のあちこちに症状が現れる病気です。

自律神経失調症の症状】

  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 首や肩の痛み
  • 肩こり
  • 動悸(どうき)
  • 吐き気
  • 便秘
  • 下痢
  • 手足のしびれ
  • イライラ
  • 不安
  • 微熱

必要に応じて抗不安薬や睡眠薬を治療に用います。薬以外のストレスに対応する治療法としては認知行動療法など様々な心理療法もあります。詳しくは自律神経失調症のページをご覧ください。

5. くも膜下出血

くも膜下出血が原因で、頭痛とめまい・ふらつきの症状が出ることがあります。

くも膜下出血特徴】

  • ある瞬間に突然激しい頭痛が起きる
  • 吐き気嘔吐がある
  • 意識がもうろうとする
  • 変なことを言う
  • 身動きしにくくなる

軽症の場合は「3日前ある瞬間に頭痛が起きて、そこから普通に生活していたけれども全然良くならないから病院に来た」という人が「実はくも膜下出血だった」ということもあるので、かならずしも上記の特徴すべてが現れるわけではありません。通常と違った頭痛や、長引く頭痛では受診するようにしてください。

6. 脳出血

脳出血が原因で、特に小脳の出血の場合に、頭痛に加えて、めまいやふらつきの症状が出ることがあります。

脳出血ではある瞬間に突然頭痛が起きます。一回頭痛が起きるとそのまましばらく続くことが特徴的です。吐き気嘔吐を伴うことがよくあります。出血の場所によってはふらつきではなく、目の前がグルグル回る感覚が出ることもあります。

7. 脳腫瘍

腫瘍(しゅよう)が小脳に出来た場合や、脳の髄液の通り道を圧迫して流れが悪くなった場合、頭痛に加えて、めまいやふらつき、吐き気などの原因になります。腫瘍の場所によっては、グルグル目が回るめまいが出ることもあります。

脳腫瘍による頭痛は、ある時に突然痛くなるというよりも、数週間から数ヶ月かけてだんだん痛くなることが多いです。

8. 脳動脈解離

脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)は、頭の中の血管の内側が裂けてしまった状態です。そのまま血管が破れて出血したり、血管の中が狭くなって塞がることで脳梗塞(のうこうそく)を起こす危険性があります。

脳動脈解離によって、頭痛、特に頭と首の後ろの痛みに加えて、めまいやふらつき、吐き気の症状が現れることがあります。

9. 慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)は、じわじわと時間をかけて頭のなかで出血し、血の塊となった状態です。頭痛や、めまい、歩くときにふらつく感じの症状の原因になります。グルグルと目が回るようなめまいではなく、ふわふわした感じ、なんとなくふらふらするというイメージです。

10. 頭痛とめまいと吐き気があったらどうすればいいのか

めまい・吐き気ををもなう頭痛の原因には、命に関わるものがあります。実際はほかの原因だった場合も、危険性を見極めるために検査をしなければ、危ない病気かどうか見分け切れない場合がほとんどです。頭痛とめまいと吐き気を感じたときは早めに脳神経外科や救急科がある病院を受診してください。