いびきをかく人はコロナワクチンの優先接種対象? 基礎疾患に含まれる睡眠時無呼吸症候群とは | MEDLEYニュース
2021.06.01 | コラム

いびきをかく人はコロナワクチンの優先接種対象? 基礎疾患に含まれる睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群と新型コロナウイルス感染症について解説します
いびきをかく人はコロナワクチンの優先接種対象? 基礎疾患に含まれる睡眠時無呼吸症候群とはの写真
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多少の混乱はあったものの、医療従事者に引き続いて高齢者へのワクチン接種が急ピッチで進んでいます。そして、高齢者への接種が済むと、次は基礎疾患を持つ人や高齢者施設などの従事者に順番が回ってきます。
このように言われると、元気に暮らしている65歳未満の人は、自分に接種の順番が回ってくるのはだいぶ先のことのように思うかもしれません。

しかし、ここでの「基礎疾患」とは多くの人が考えるよりも広い範囲がカバーされています。例えば、高血圧や糖尿病で通院している人や、BMIが30(kg/m2)以上の肥満の人も基礎疾患に含まれます。

*BMI 30(kg/m2)は、例えば身長160(cm)では体重77(kg)、身長170(cm)では体重87(kg)に相当します。

このような基礎疾患の中に、「睡眠時無呼吸症候群」も含まれています。あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、40-50歳代以降の人に多い病気であり、「いびき」がひどい人はこの病気の可能性が高いと言えます。

このコラムでは睡眠時無呼吸症候群新型コロナウイルス感染症、およびワクチン接種について解説します。

*本コラムは2021年6月1日現在の情報に基づいています。

 

1. こんな症状があったら睡眠時無呼吸症候群かも

睡眠時無呼吸症候群とは、文字通り寝ている最中に呼吸が止まったり止まりかけたりする病気です。英語でのSleep Apnea Syndromeの頭文字をとって「SAS(サス)」とも呼ばれます。以下のような症状がよく出ます。

 

睡眠時無呼吸症候群SAS)の主な症状】

  • 睡眠中に呼吸が止まる、止まりかける
  • いびきをかく
  • 日中の眠気が強い
  • 疲れがとれない
  • 起床時に頭が痛い

 

上にあるような困った症状が出るだけではなく、脳卒中や心臓病をはじめとした重大な病気になるリスクも高まることが分かっています。そのため、症状に思い当たる節がある人は医療機関を受診することが推奨されます。

治療としては生活習慣を改善する、マウスピースを使用する、睡眠時に特殊な機械を使用する、などがあります。SASかもしれないと思う人は、こちらのコラムもご参照ください。

 

2. 睡眠時無呼吸症候群と新型コロナウイルス感染症の関係は?

SASがある人は、新型コロナウイルスに感染しやすいうえに重症化しやすいことが分かっています(1, 2)。

他の病気で医療機関にかかっている同年代の人と比較すると、SASがある人は約8倍も新型コロナウイルスに感染しやすく、約2倍重症化しやすいという報告もあります(2)。

SASがある人は肥満高血圧症糖尿病も持っている人が多く、これらはそれぞれ単独でも新型コロナウイルス感染症発症および重症化リスクになります。一方で、肥満高血圧症糖尿病の影響を補正してもなお、SASは新型コロナウイルスの発症および重症化リスクを高めることが示されています(2)。

コロナ禍で生活している今だからこそ、医療機関にかかってSASをきちんとコントロールする必要性が高まっています。

 

3. 睡眠時無呼吸症候群とワクチン接種について

このようにSASの人は新型コロナウイルス感染症に対して弱いと言えるため、優先的にワクチン接種を受けられる予定となっています。

ただし、「いびきで困っていてSASだと思うから、ワクチンの優先接種に申し込む」というのはダメです。医療機関で検査を受けてSASと診断され、通院中の人のみ優先接種の対象となります(3)。心配な人は、まずは専門機関を受診してみてください。

SASは治療してすぐに治癒するような病気ではなく、生活習慣の改善を中心とした長期的な治療が必要です。長い目でしっかりと治療することにより、いびきや日中の眠気といった症状を改善し、脳卒中や心臓病のリスクを減らすことができます。

 

4. まとめ

ここまでSAS新型コロナウイルス感染症、およびワクチンの関係性について説明しました。

SASがある人でも、ワクチン接種による重大な副反応が起きやすくなるとは報告されていません。一方で、新型コロナウイルスに感染したり重症化するリスクはSASにより高まります。そのため、SASの人には特にワクチン接種が推奨されます

このコラムが、SASの人が優先接種対象であることを知るきっかけに、またSASという病気を知って向き合うきっかけにもなれば幸いです。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。