切るか、結ぶか、硬めるか?いぼ痔の治療法について解説

この記事のポイント
2. 症状の重さによっていぼ痔の治療は違います
いぼ痔(痔核)にはいくつかの治療法がありますが、どのような状態にどのような治療法が使われているのでしょうか?いぼ痔の治療法について解説します。
◆いぼ痔の治療はどんな種類があるの?
いぼ痔(痔核)の治療と言うと、軟膏を塗ったり、座薬を入れたりといったことを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、他にも手術や生活習慣の改善など様々な治療法があります。
まず、いぼ痔の治療法は大きく分けると、
- 生活習慣の指導
- 薬を使った治療
- 薬を使った治療は、
症状 を緩和させることには役立ちますが、根治させるものではありません。 - 使われる薬には
内服薬 と外用薬 があります。 - 妊婦に対しては、薬が子宮収縮を誘発して
早産 などにつながる危険性を考慮したうえ、治療が検討されます。
- 薬を使った治療は、
一方、手術療法には痔核結紮切除術、ゴム輪結紮療法、硬化療法などが含まれます。
これらの手術方法の選択には、症状の分類が指標とされる場合があります。
いぼ痔の分類は、以下のようにI度〜IV度に分ける方法があります。
- I度:排便時に肛門管内で痔核は膨隆するが、脱出はしない
- II度:排便時に肛門外に脱出するが、排便が終わると自然に還納する
- III度:排便時に脱出し、用手的な還納が必要である
- IV度:常に肛門外に脱出し、還納が不可能である
グレードによって推奨される手術方法が変わります。
◆症状の重さによっていぼ痔の治療は違います
それでは、手術方法について説明していきます。
- 痔核結紮切除術
- ゴム輪結紮療法
- 硬化療法
これらの治療法以外にも、PPH(Procedure for prolapse and hemorrhoids)と呼ばれる切除術や、分離結紮法(ゴム輪結紮療法と類似した方法)などの手術法があります。
症状は治療法を選ぶための重要な判断材料ですが、術後の痛み、入院期間、社会復帰までの期間など、考えられる点はさまざまです。どの方法を選ぶかよく主治医と相談することが必要です。手術後は前述のように生活習慣にも注意しながら、回復を待ちましょう。
手術は保険診療で行うことができます。その費用は入院か日帰りか、入院日数、薬の量などでも変わってきます。手術だけで言いますと、平成28年の段階では、
今回は、いぼ痔の治療法について解説してきました。手術だけではなく、保存療法が選択されることもありますし、手術の中でも症状などによって適応が変わります。よく医師と相談して、納得して医療を受けるようにしましょう。
参考文献:肛門疾患(痔核・痔瘻・裂肛)診療ガイドライン2014年版、日本大腸肛門学会
注:このコラムは2016年3月28日に公開されましたが、2018年2月6日に編集部(大脇)が更新しました。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。