2016.02.22 | ニュース

心臓リハビリの糖尿病に対する効果は?

13,158人のデータを分析
from Diabetologia
心臓リハビリの糖尿病に対する効果は?の写真
(C) lenetsnikolai- Fotolia.com

定期的に運動する習慣が無いことは、糖尿病の発症しやすさと関係があると言われています。今回の研究では、糖尿病を持つ冠動脈疾患患者を対象とした心臓リハビリテーションの効果が検証されました。

冠動脈疾患と心臓リハビリテーション

心臓の表面を走り、心臓全体に酸素や栄養を供給している血管を冠動脈と言います。その冠動脈が狭くなったり塞がってしまうことで発症する狭心症心筋梗塞を総じて冠動脈疾患と言います。その冠動脈疾患の原因の一部として、糖尿病高血圧症脂質異常症高脂血症)・喫煙・家族の病歴が重視されておりますが、この研究は糖尿病の有無に着目しながらデータを分析しています。

さらに、「心臓リハビリテーション」の効果にも注目しています。運動療法により身体機能や心肺機能の回復を図り、さらには食生活の見直しや禁煙など、生活習慣全般を改善することによって、冠動脈疾患などの再発予防を目的とする総合的な治療プログラムを「心臓リハビリテーション」と言います。

 

13,158人の心臓リハビリ参加者を対象に分析

今回の研究チームは、心臓リハビリテーションに参加した13,158人を対象に追跡調査を行いました。12週間のプログラムを完遂した群と、途中で脱落した群の2群にわけ、再入院率と死亡率について比較しました。

 

心臓リハビリにより糖尿病患者の死亡率は54%低下

研究の結果、以下の内容が得られました。

糖尿病患者においては心臓リハビリの修了と死亡率との関連性を認め(ハザード比0.46[95%信頼区間 0.37-0.56])、再入院率を低下(ハザード比0.86[95%信頼区間 0.76-0.96])し、心大血管疾患による入院率も低下(ハザード比0.67[95%信頼区間 0.54-0.84])した。

12週間の心臓リハビリプログラムを修了した糖尿病患者の死亡率は低下し、再入院も少なくなったという結果となりました。

 

 

今回の研究は12週間のプログラムによる結果とのことですが、糖尿病の人にとって運動療法は治療手段のひとつです。全体的な健康状態を改善するためにも、生活習慣に少しずつでも運動を取り入れ、継続することが重要かもしれません。

執筆者

TORU KOKUBO

参考文献

Cardiac rehabilitation completion is associated with reduced mortality in patients with diabetes and coronary artery disease.

Diabetologia. 2015 Apr.

[PMID: 25742772]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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