橋本病を抱える人は、妊娠・出産後は何に気をつければ良いの?

この記事のポイント
2. 橋本病と妊娠、どんなことに注意する必要があるの?
3. 橋本病と妊娠、どのような治療法があるの?
からだの代謝を調整する甲状腺の機能が低下する病気、橋本病(慢性甲状腺炎)。甲状腺の機能が低下した状態で妊娠すると、赤ちゃんに影響する可能性があります。橋本病と妊娠の関係について解説します。
◆妊娠中に橋本病の診断が・・・妊娠すると甲状腺の機能はどうなるの?
橋本病は、
まず橋本病の話に入る前に、通常では妊娠すると
一方、橋本病では前述したように、甲状腺の機能が低下しているため、甲状腺ホルモンが少なく、甲状腺刺激ホルモンは多くなるという妊娠中のホルモンの状態と逆の経過を辿ります。甲状腺ホルモンは、お腹の中にいる赤ちゃんの発達に関わるホルモンであると言われているため、生まれてくる赤ちゃんに何かしらの影響がある可能性が出てきます。
◆橋本病と妊娠、どんなことに注意する必要があるの?
昔は、甲状腺機能の異常があったとしても、甲状腺ホルモンは胎盤を通過しないため赤ちゃんにはさほど影響しないという説がありました。しかし、現在では甲状腺ホルモンは胎盤を通過することや、妊娠初期の甲状腺ホルモンが赤ちゃんの発達に欠かせないものであることがわかり、治療が必要であることが認知されています。
橋本病と妊娠が重なった場合、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
まず、橋本病で「甲状腺機能の低下が見られない場合」では、あまり気にする必要はありません。ただし、前述のように、妊娠中は甲状腺ホルモンに変動があるため、もしかしたら甲状腺機能の低下がそこで現れる可能性もありますので注意が必要です。一方、橋本病で「甲状腺機能低下症が見られた場合」では、赤ちゃんの運動発達、知的発達に悪影響になるという研究報告があります。適切な治療を行って、甲状腺ホルモンの値を正常値に近づけることが必要です。
また、出産後には、
◆橋本病と妊娠、どのような治療法があるの?
治療法は主にホルモン療法になります。甲状腺ホルモンは、人間にとって害になるわけではないので、妊娠中でも治療を行うことができます。ここでは海外で示されている妊娠した場合の橋本病の管理について紹介しますが、アメリカでは3つの
橋本病と妊娠について、解説してきました。甲状腺機能低下症(甲状腺の機能低下)を伴うと、赤ちゃんにも影響する可能性があります。医師と良く相談し、適切な対応を取れるように準備しましょう。
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。