2017.09.24 | ニュース

埼玉県女性、大豆イソフラボンで気分不快、むくみ、声がれに?

甲状腺機能低下症の症例報告

埼玉県女性、大豆イソフラボンで気分不快、むくみ、声がれに?の写真

大豆のイソフラボンはホルモンに似た作用があり、体の機能に影響することがあります。健康食品に含まれる大豆イソフラボンが甲状腺機能低下症を引き起こしたと見られた人の例が報告されました。

健康食品で甲状腺機能低下症になった埼玉県女性

埼玉県・埼友草加病院の中村裕也医師らが、健康食品が原因の甲状腺機能低下症と思われた72歳女性の例を、専門誌『Journal of Medical Case Reports』に報告しました。

この女性は、もともと慢性リンパ球血液中にある白血球の一種で、免疫の役割を担っている。B細胞、T細胞、NK細胞に分かれ、それぞれ働き方が異なる甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌する炎という甲状腺の病気を持っていました。しかし、甲状腺ホルモン全身の代謝を活発にしたり、神経を興奮させたりする働きをもつホルモンの検査値はfT3 3.08pg/ml、fT4 1.18ng/mlと基準値内でした。

この女性は2016年1月に健康ドリンクを飲み始めました。ドリンクには大豆とケールの成分が含まれていました。

7月に気分不快、浮腫体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じるむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる)、嗄声(声がれ)の症状が現れました。診察を受けた時点の検査で、甲状腺ホルモンがfT3 <0.26pg/ml、fT4 0.10ng/mlと、以前に比べて大幅に減少していました。診察では甲状腺が腫れ、やや硬くなっていました。

すぐに健康ドリンクをやめ、甲状腺ホルモン製剤を少しずつ増量しながら飲む治療が開始されました。治療開始からfT3、fT4はしだいに回復し、33日目の検査で基準値内に戻り、以後症状も消失しました

 

イソフラボンが原因?

報告の著者らは、健康ドリンクが甲状腺機能低下症を起こしていたと思われることについて、原因となった物質を考察しています。

文献によれば、大豆などの植物は甲状腺機能を妨げる場合があり、実験でイソフラボンが甲状腺機能を下げることが確認されています。

著者らは患者から採取して保管してあった血液の化学分析を行い、治療前に採取したものから治療後102日目までの5回のサンプルの変化を調べました。

すると、健康ドリンクをやめてから、血液中では大豆イソフラボンと疑われる物質が減っている様子が観察されました。

 

健康食品の健康被害をどうする?

健康食品によって甲状腺機能低下症が引き起こされたと思われた人の例を紹介しました。

医薬品の副作用もときどき話題になりますが、健康食品・サプリメントも体に害を及ぼしたり医薬品の作用に影響したりすることがあります。

体の不調を感じて医師に相談するときには、飲んでいる薬はもちろん、健康食品を摂る習慣もあれば伝えることで、疑わしいものを除いていくことができます。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Soy isoflavones inducing overt hypothyroidism in a patient with chronic lymphocytic thyroiditis: a case report.

J Med Case Rep. 2017 Sep 5.

[PMID: 28870235]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。