ビタミンで前立腺がんは減る?増える?
食事などの生活習慣によって、いくつかの種類のがんの頻度が変わると言われています。ビタミンAの仲間、またビタミンEと、前立腺がんの関連について、これまでの研究のデータをまとめた結果が報告されました。
◆文献からデータを収集
研究班は、過去の文献を調査し、トコフェロール(
見つかった研究からデータを取り出し、改めて解析することで、これらのビタミンと前立腺がんの関連について検討しました。
◆リコペン、α-トコフェロールで減少、レチノールで増加
次の結果が得られました。
15件の研究から、11,239人の患者(1,654人が進行
ステージ 、1,741人が進行性)と18,541人の対照群についてデータが得られた。[...]リコペンの最も高い五分位群の、最も低い五分位群に対する進行性の前立腺がんのオッズ比は0.65(95%信頼区間0.46-0.91、Ptrend=0.032)だった。
カロテノイドの一種であるリコペン(リコピン)が多い人で、前立腺がんのうちでも進行性のものが少なくなっていました。α-トコフェロールが多い人でも前立腺がんが少なくなっていました。レチノールが多い人では前立腺がんが多くなっていました。
研究班はこの結果に対して「この関連が因果関係を反映したものかどうかは明らかでない」と述べています。
ビタミンは体に必要な物質であり、良い面が多く知られていますが、大量に摂るほど有益というわけではありません。適度なバランスを考えるときに、こうした研究も参考にできるかもしれません。
執筆者
Carotenoids, retinol, tocopherols, and prostate cancer risk: pooled analysis of 15 studies.
Am J Clin Nutr. 2015 Nov
[PMID: 26447150]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。