2016.01.27 | ニュース

卵巣がんを検査で探しても、死亡は防げないのか?

20万人を11年追跡した結果
from Lancet (London, England)
卵巣がんを検査で探しても、死亡は防げないのか?の写真
(C) Max Tactic- Fotolia.com

がんを見つけ出す検査(スクリーニング)にはさまざまなものがあり、早期発見・早期治療によって良い結果につなげることが目指されています。卵巣がんを見つけ出す検査によって、長期的に死亡を防ぐ効果が検討されました。

◆検査で卵巣がんによる死亡を防げるか

研究班は、イギリスで閉経後の50歳から74歳の女性202,638人を対象として、卵巣がんの検査の効果を調べました。

対象者はランダムに3つのグループに分けられました。

  • 背景に応じて血液検査、超音波検査を組み合わせて行うグループ
  • 超音波検査だけを行うグループ
  • 検査をしないグループ

研究開始からおよそ11年前後の追跡調査が行われ、それぞれのグループで、卵巣がんによる死亡率が見積もられました。

 

◆死亡率は減らない?

次の結果が得られました。

Cox部分ハザードモデルを使った一次解析によれば、検査後0年から14年の期間に死亡率の減少はマルチモーダルスクリーニング群で15%(95%信頼区間-3から30、P=0.10)、超音波スクリーニング群で11%(-7から27、P=0.21)だった。

Royston-Parmarのフレキシブルパラメトリックモデルにより、マルチモーダルスクリーニング群ではこの死亡率の効果は検査後0年から7年の間で8%(-20から31)、7年から14年の間で23%(1から46)であり、超音波スクリーニング群では0年から7年で2%(-27から26)、7年から14年で21%(-2から42)だった。

検査を行ったどちらのグループでも、検査開始から14年後までに卵巣がんによって死亡する危険性に違いは見られませんでした

計算方法を変えた場合と、検査開始時点で卵巣がんがあったと見られる人を除いて計算した場合に、一部で卵巣がんによる死亡が少なくなるという結果が出ました。

 

がんのスクリーニングによる効果はこうした研究によって検証され、対象とするがんの種類によってはスクリーニングの意義について意見が分かれているものもあります。卵巣がんについて、どんな人にどの検査を行うのが適切かを検討するうえで、この結果が今後参照されるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Ovarian cancer screening and mortality in the UK Collaborative Trial of Ovarian Cancer Screening (UKCTOCS): a randomised controlled trial.

Lancet. 2015 Dec 16. [Epub ahead of print]

[PMID: 26707054]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。