トマトに多い「リコピン」、メタボ防止との関係は?
リコピンはトマトなどの野菜に多く含まれ、抗酸化作用がある成分です。血液中のリコピンの量と、メタボリックシンドロームに関係があるかについて研究が行われました。
◆体重別でリコピンとメタボの関係を解析
この研究は、20歳以上の参加者13,196人を対象とした調査データを元に、血液中のリコピンの量とメタボリックシンドロームの関連について統計解析を行いました。
対象者の
メタボリックシンドロームは、ウエスト、
◆肥満だと関連なし
次の結果が得られました。
[...]リコピンとメタボリックシンドロームの関連は正常体重および過体重の参加者でのみ
有意 であり(P<0.05)、肥満の参加者では有意でなかった(P>0.05)。
正常体重または過体重のグループでは、リコピンが多い人のほうがメタボリックシンドロームが少ないという関連が見られましたが、肥満のグループでは関連が見られませんでした。
この研究は、血液中のリコピンの量を調べていますが、リコピンの摂取量は調べていません。そのため、リコピンを含む食品を食べることでメタボリックシンドローム防止の効果があるかを確かめるにはほかの情報も必要です。
また、リコピンとメタボリックシンドロームの関係には体重も影響するという結果でした。リコピンの効果を考えるうえで注意するべき点になるかもしれません。
執筆者
The influence of BMI on the association between serum lycopene and the metabolic syndrome.
Br J Nutr. 2016 Feb 9. [Epub ahead of print]
[PMID: 26857614]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。