ビタミンAの仲間と乳がんに関係が?

カロテノイドは体内で代謝されてビタミンAなどになる物質で、野菜などの食べ物にも多く含まれ、体のさまざまな部分で重要な働きをします。血液中のカロテノイドの量と、乳がんが発生する頻度の関係を調べた結果が報告されました。
◆乳がんがある人とない人でカロテノイドの量を比較
研究班は、カロテノイドに分類される物質のうち、α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、リコペン、ルテイン/ゼアキサンチンについて、血液に含まれる量と、乳がんの頻度に関連があるかを調べました。
中国の病院を受診した乳がんのある女性521人と、年齢がほぼ一致するように選んだ対照群についてカロテノイドの量を測定し、統計解析を行いました。
◆カロテノイドが多いと乳がんが少ない
次の結果が得られました。
血清α-カロテン、β-カロテン、リコペン、ルテイン/ゼアキサンチンと乳がんのリスクに
有意 な負の関連が観察された。血清濃度が最も高い四分位群と最も低い四分位群の多変量オッズ比はα-カロテンで0.44(95%信頼区間0.30-0.65)、β-カロテンで0.27(95%信頼区間0.18-0.40)、リコペンで0.41(95%信頼区間0.28-0.61)、ルテイン/ゼアキサンチンで0.26(95%信頼区間0.17-0.38)だった。しかし、血清β-クリプトキサンチンと乳がんのリスクには有意な関連は見られなかった。
α-カロテン、β-カロテン、リコペン、ルテイン/ゼアキサンチンについて、いずれも血液中に多くある人で乳がんが少なくなっていました。β-クリプトキサンチンには関連が見られませんでした。
この関連は、乳がんの予防法の研究にもつながっていくかもしれません。
なお、カロテノイドもほかの栄養素と同じように、多く摂るほど体に良いというものではありません。特に妊娠中に
執筆者
Specific serum carotenoids are inversely associated with breast cancer risk among Chinese women: a case-control study.
Br J Nutr. 2015 Oct 20 [Epub ahead of print]
[PMID: 26482064]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。