◆カロテノイドと頭頸部がんの再発の関連は?
カロテノイドは、自然界に存在する色素です。その中にキサントフィルなどの分類が含まれます。
今回の研究では、頭頸部がん(中咽頭がん、喉頭がん)の治療を受けた患者154人に対し、治療前の血中のキサントフィル濃度とがんの再発の関連性を検証しました。
◆キサントフィル濃度が高いと再発しにくい?
以下の結果が得られました。
共変量で調整した後、血中のキサントフィル濃度と全カロテノイド濃度が高い人では、低い人と比べて、有意に再発までの時間が長かった(それぞれp=.002、p=.02)。
血中のキサントフィルやカロテノイド全体の濃度が高い人では、がんの再発までの時間が長いという結果でした。
再発しやすいがんがあるとカロテノイドが消耗されるという可能性も考えられますが、もしかしたらカロテノイドががんに対して何かの効果を及ぼしていたのかもしれません。頭頸部がんの再発を予防するには、禁煙や飲酒制限などが必要な場合があります。これに加えて、カロテノイドを摂取することも選択肢に入る日がくるかもしれません。
執筆者
Pretreatment serum xanthophyll concentrations as predictors of head and neck cancer recurrence and survival.
Head Neck. 2015 Nov 28
[PMID: 26614223]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。