関節リウマチ患者の疲労に患者中心医療が有効

関節リウマチは関節の腫れや痛み、こわばりによって関節を動かしにくくなる病気です。それに伴い、疲労感も強くなることがあります。今回の研究では、関節リウマチによる疲労感に対して、患者中心医療の効果を検証しました。
◆患者中心医療を受ける群と対照群にランダムに振り分け
患者中心医療とは、患者さんの価値観や希望に配慮しながら、患者さんと医療者(今回の研究では、
今回の研究では、関節リウマチ患者70人を、患者中心医療を行う群と対照群にランダムに分け、12週間の治療効果を検証しました。 患者中心医療を行う群では、30分以上の有酸素運動などの身体活動や、患者さんの目標や生活に合わせた練習を行いました。対照群は、通常のケアを実施しました。
◆患者中心医療は疲労感をより改善する
以下の結果が得られました。
全身的疲労感の中央値の改善は、治療後および追跡期間の時点で、群間と群内について臨床的に意義のある差に届いた。
追跡期間の時点で、対照群と比較して、介入群では下肢の筋力/耐久力(p=0.001)が改善し、身体的疲労感(p=0.041)、生活関連疲労感(p=0.031)、身体活動(p=0.019)、不安(p=0.015)、自己健康感(p=0.010)、自己効力感(p=0.046)が改善する傾向であった。
患者中心医療を行うことで、通常のケアと比べて、関節リウマチの疲労感がより改善するという結果でした。
関節リウマチの患者さんは、日常生活をうまく送れないことに対する疲労感も強く出ることがあります。それに対して、理学療法士と相談しながら患者さんの意志でリハビリの内容を選ぶということも有効なのかもしれません。
執筆者
Effects of Person-centered Physical Therapy on Fatigue-related Variables in Persons with Rheumatoid Arthritis: A Randomized Controlled Trial.
Arch Phys Med Rehabil. 2015 Oct 16
[PMID: 26482574]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。