2015.10.09 | ニュース
関節リウマチで悪化した手は運動療法で改善するか?
ランダム化比較試験により検証
from Lancet (London, England)

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関節リウマチが発症すると、手の痛みや動かしにくさから日常生活を送るうえで様々な弊害が起こります。今回の研究では、関節リウマチの手の機能を改善する方法として、運動療法プログラムの効果を検証しました。
◆通常ケア群と運動療法プログラム群にランダムに振り分け
関節リウマチ患者490人を、通常のケアを行う群と、通常のケアに加えてそれぞれの患者に合わせた筋力トレーニングやストレッチを行う群の2群にランダムに分けました。それぞれ、12ヶ月時点での効果を検証しました。
◆個別の運動療法プログラムを行うと手の機能がより改善
以下の結果が得られました。
手の機能全体の改善が、通常ケア群では3.6点(95%信頼区間1.5-5.7)、運動療法群では7.9点(95%信頼区間6.0-9.9)であった(群間の平均差4.3点、95%信頼区間1.5-7.1、p=0.0028)。
個別の運動療法プログラムを行うと、手の機能がより改善するという結果でした。
関節リウマチでは進行性に手の機能が悪化していく場合があります。過剰な負荷をかけると、変形や痛みにつながる可能性もあり、非常に難しい面もありますが、専門家の指導により適切な運動療法を行うことで改善する可能性があるかもしれません。さらに検証が進むことを期待します。
執筆者
参考文献
Exercises to improve function of the rheumatoid hand (SARAH): a randomised controlled trial.
Lancet. 2015 Jan 31
[PMID: 25308290]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。