◆207人の関節リウマチ患者を対象にした解析
著者らは以下の実験を計画しました。
207人の活動性関節リウマチ患者を無作為に、一週間に一度MTX 12.5mgを投与、一日三回TwHF20mgを投与、またはMTXとTwHFを両方投与する3グループに1:1:1に振り分けた。
対象者は関節リウマチの患者207人でした。対象者はランダムに、MTXだけの治療を受けるグループ、TwHFだけの治療を受けるグループ、MTXとTwHFを併用するグループに振り分けられました。治療開始後24週間で関節リウマチの症状や検査値などに改善があったかどうかによって、治療効果が評価されました。
◆MTXとTxHFの併用が一番効果的であった
著者らは以下の結果を得ました。
207人中174人(84.1%)の患者が24週の薬剤投与を終えた。 治療企図解析(ITT解析)において、ACR50評価基準に達した患者の割合は、MTXのみ投与が46.4%(69人中32人)、TxHFのみで55.1%(69人中38人、MTX単独に対してp=0.014)、MTXとTxHF併用で76.8%(69人中53人、MTX単独に対してp<0.001)であった。
7人(TwHF)、3人(MTX)、5人(TwHF+MTX)の女性が不規則月経を引き起こした(TwHF vs MTXでp=0.216)。
つまり、一定の治療効果が達成された人の割合は、MTXだけのグループで46.4%でしたが、これに対して、TxHFだけのグループでは55.1%、MTXとTxHF併用のグループでは76.8%と、より多くの割合で同じ水準の治療効果が達成されていました。
副作用としては、3グループとも同程度の頻度で、月経周期の異常が見られました。
「TwHF単独投与はMTX単独投与より劣らず、MTXとTwHF両方の投与はMTX単独投与よりも、活動性関節リウマチの活動性のコントロールに効果がある」と、著者らは述べています。
十分な評価のためにはより多くの対象者を集めた研究が必要かもしれませんが、より効果の高い治療に向けて、興味深い結果です。
執筆者
Comparison of Tripterygium wilfordii Hook F with methotrexate in the treatment of active rheumatoid arthritis (TRIFRA): a randomised, controlled clinical trial.
Ann Rheum Dis. 2015 Jun
[PMID: 24733191] http://ard.bmj.com/content/74/6/1078.long※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。