成長ホルモンは閉経後骨粗しょう症の女性の骨密度を増やす?

成長ホルモンは子どもの成長の中で骨を伸ばす作用があります。今回著者らは、閉経後骨粗しょう症の女性が成長ホルモンを補充した際の影響に関し、10年間の追跡調査を行いました。
◆閉経後骨粗しょう症の女性80人が成長ホルモンを補充
骨粗しょう症を患い
◆成長ホルモンは骨を増やすが、生活の質には影響を与えない
著者らは以下の結果を得ました。
成長ホルモンは用量依存的に全ての領域で骨密度と骨塩量を増やした(成長ホルモン1.0Uでは対照群と比較してP=0.01、成長ホルモン2.5Uでは対照群と比較してP = .0006)。10年後、群間で均等に振り分けた被験者間での骨折回数は、56%から28%に減った(P=0.0003)。[...]生活の質は、成長ホルモン治療中や10年間の追跡調査期間で変化がなく、対照群と比べ変わらなかった。
つまり成長ホルモンは骨の量を増やし骨折を減らす効果はありましたが、生活の質を変える効果はありませんでした。
著者らは「成長ホルモン治療は閉経後骨粗しょう症の女性において10年後骨と骨折に関し有益な結果を示したが、生活の質には、影響を与えなかった。」と結論しています。
閉経後は更年期障害による
執筆者
Effect of Growth Hormone Treatment on Fractures and Quality of Life in Postmenopausal Osteoporosis: A 10-Year Follow-Up Study.
J Clin Endocrinol Metab. 2015 Aug 27
[PMID: 26312576]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。