2015.06.08 | コラム

鉄剤と飲み合わせがよい薬、わるい薬って何?〔 鉄シリーズ② 〕

食品まで含めた薬の飲み合わせ
鉄剤と飲み合わせがよい薬、わるい薬って何?〔 鉄シリーズ② 〕の写真
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このシリーズの前回、鉄剤とお茶などに含まれるタンニンとの飲み合わせの話をご紹介しましたが、今回は少し話を広げて、鉄剤と飲み合わせが"よいもの"と"わるいもの"の両面から服用時の注意を考えてみます。"飲み合わせ"というとどうしても悪いものというイメージがあるかもしれませんが、中には薬の効果をよりよく引き出してくれるものもあり・・・。

◆ 飲み合わせが"よいもの"もある

処方箋で鉄剤が出される場合、よく一緒にビタミンCを含む薬(主な商品名:シナール)が出されます。

ビタミンCというと、体の中でコラーゲンが作られる作業を手助けする働きがあり、皮膚にしみ等ができるのを防ぐことや、免疫力を高める効果が期待できるビタミンです。しかし、鉄剤と一緒に処方された場合はビタミンCを補うというより、体の中での鉄の吸収を高める目的で出されます。

鉄は体の中に入った後、消化管内を移動している途中で酸化されてしまうと血液中に吸収されにくくなってしまうのですが、ビタミンCは鉄の酸化を防ぐ働きがあるのです。簡単にまとめると 鉄と一緒にビタミンCを摂ると効率よく鉄を体に取り込むことができる のです。これは市販のサプリメント等で鉄を補う時にも有効で、それらの鉄を含むものと一緒にビタミンCが多く含まれる柑橘類などを摂ると、効率よく鉄を体に取り込むことが期待できます。

 

◆ 抗菌薬には特にご注意を

飲み合わせが"よいもの"がある一方、鉄と飲み合わせが"わるいもの"も存在します。以前、タンニンに関して"液体の鉄剤が出された時は注意"と紹介しましたが、薬の中ではどのようなものに注意したらよいのでしょうか?

鉄剤と飲み合わせがわるい薬として代表的なものに"ある種類の抗菌薬"が挙げられます。抗菌薬の中でテトラサイクリン系という種類やキノロン系という種類に分類される薬を鉄などのミネラル分と同時に服用すると、薬の吸収が通常よりもわるくなり、薬の効果が下がる可能性があります。

また、骨粗しょう症の治療薬でビスホスホネート薬と呼ばれている薬も、鉄などのミネラル分と一緒に服用すると薬の吸収が通常よりもわるくなる可能性があります。

これらの薬を飲む時には、ミネラル分を摂る時との間隔を"ある程度"あける必要があります。この"ある程度"の時間は薬の種類によっても異なりますので医師や薬剤師からの説明をしっかり聞いて確認しておくことが大切です。

 

今回紹介した以外にも鉄剤と一緒に服用すると効果に影響が出る可能性がある薬は存在します。処方箋による鉄剤やサプリメント等の鉄を含む食品を摂られている方で、新たに処方薬が追加になった場合は、飲み合わせに関してしっかりと聞いておきましょう。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。