2015.05.31 | コラム

薬を牛乳で飲むのは本当にダメ?

食品を含めた薬の飲み合わせ
薬を牛乳で飲むのは本当にダメ?の写真
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私達の生活の中で必需品といっても過言でない牛乳。しかし、薬との飲み合わせを考えると途端に"厄介モノ"になってきます。イメージ的に「薬を牛乳で飲んではいけない」ということはなんとなくわかっていても、なぜいけないのか…。今回は牛乳の"何"が薬の飲み合わせに厄介かをご紹介します。

◆牛乳を2つに分けて考える

毎日、1日1杯の牛乳を…。

幼少期から成長期にはもちろん、高齢者の骨折予防にも手軽にカルシウムを摂れる牛乳は生活に欠かせない食品といえます。しかし、薬を服用するという話になると牛乳は「う〜ん」と悩ましいものになります。ここでは牛乳に含まれる カルシウム と 乳脂肪 という2種類の成分から薬との飲み合わせを考えてみます。

 

◆ カルシウムが及ぼす影響は?

骨をつくる上で重要なカルシウムですが、ある種類の抗菌薬骨粗しょう症の治療薬の中には、カルシウムなどのミネラルと飲み合わせが悪いものがあります。抗菌薬の中でテトラサイクリン系という種類の薬やキノロン系という種類の薬とカルシウムを一緒に摂ると、体の中で薬の吸収が妨げられ、薬の効果が下がる可能性があります。また、骨粗しょう症の治療薬の中でビスホスホネート薬とよばれる薬もカルシウムによって薬の吸収が妨げられることがわかっています。そのためこれらの薬を服用する時は、カルシウムを摂る時間との間隔を"ある程度"あける必要があります。"ある程度"の間隔の時間は例えば、ビスホスホネート薬であれば30分程度、キノロン系の抗菌薬であれば2時間程度というように薬の種類などによっても異なるため、より一層の注意が必要です。

 

◆ 吸収がよすぎるのも考えもの

一方、牛乳の乳脂肪による薬への影響ですが、例えば食事との間隔をあけて飲むように指示する薬の中には食事(脂肪を含む)が胃に多く残っていると吸収が良くなりすぎてしまい、薬の効果が必要以上に現れる可能性もあります。当然、牛乳に含まれる乳脂肪分が胃の中に多くある状態では同様のことが起こる可能性があり、特に効き過ぎると大きな危険を伴う睡眠薬や抗がん薬といった薬の中にもこのような特徴を持つものがあるので、注意が必要です。

 

ここまでで紹介した薬の他にも牛乳との飲み合わせがわるい薬もありますし、反対に牛乳で飲んでもさほど問題ない薬もあります。判断に迷う場合は薬を飲む前後に牛乳を摂らないことが無難ですが、毎日牛乳を飲むというような方は薬との飲み合わせに関して医師や薬剤師に聞いておくのがよいでしょう。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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