喫煙すると脳卒中になるリスクは、男性で1.39倍、女性で1.65倍

脳卒中、特に脳出血による死亡リスクは喫煙によって上がることが「脳卒中治療ガイドライン2015」で記載されています。今回はその根拠のひとつとなる、2005年の論文を紹介します。
◆喫煙習慣と脳卒中、心筋梗塞などの心血管系疾患による死亡との関連性を検証
今回の調査では、94,683人の日本人を対象に、喫煙の程度を聴取し、その後の脳卒中、心筋梗塞などの
◆喫煙は脳卒中による死亡リスクを増やす
調査の結果、以下のことを報告しました。
男性では、現在喫煙している人にとっての多変量相対リスクは、喫煙したことがない人と比べて、脳卒中で1.39(95%信頼区間1.13-1.70)、冠動脈疾患で2.51(95%信頼区間1.79-3.51)、全心血管疾患で1.60(95%信頼区間1.39-1.84)であった。
女性におけるそれぞれの相対リスクは、1.65(95%信頼区間1.21-2.25)、3.35(95%信頼区間2.23-5.02)、2.06(95%信頼区間1.69-2.51)であり、40-64歳の人でそれより高齢の人よりもリスク増加量が大きかった。
喫煙している場合、喫煙したことがない人と比べると、男女とも脳卒中、心筋梗塞などの冠動脈心疾患による死亡リスクが高いという結果でした。
また、喫煙者はそうでない人と比べて、脳出血による死亡リスクは男性で1.61倍、くも膜下出血では男性では3.37倍、女性では3.35倍で
喫煙を続けていると、脳卒中や心筋梗塞による死亡リスクが高いという論文でした。タバコの影響はやはり大きいのかもしれません。
執筆者
Smoking cessation and mortality from cardiovascular disease among Japanese men and women: the JACC Study.
Am J Epidemiol. 2005 Jan 15
[PMID: 5632267]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。