2015.09.03 | ニュース

ナッツを月1回でも食べる人は死亡率が低かった

イタリアの研究チームが19,386名を分析

from The British journal of nutrition

ナッツを月1回でも食べる人は死亡率が低かった の写真

食習慣と健康の関連性を示すことは難しい一方で、何らかの関連性が治療や予防の第一歩にもなり得ます。イタリアの研究チームが調査を行ったところ、ナッツの摂取量と死亡率に関連性があったことを報告しました。

◆食生活習慣と死亡率の関連性を検証

イタリアで行われた調査に参加した19,386名を対象におよそ4年ほどの追跡調査を行い、食事習慣と死亡率の関連を検証しました。

 

◆ナッツ消費量とがんによる死亡率、全死亡率に関連あり

調査の結果、以下のことが示されました。

ナッツを全く食べない対象者と比べて、まれに食べること(月に2回以下)は死亡率と負の関連性があった(多変量ハザード比0.68、95%信頼区間0.54-0.87)月に8回以上摂取する場合、より予防効果が観察された(ハザード比0.53、95%信頼区間0.32-0.90)。

がんによる死亡に関しても有意な減少(ハザード比0.64、95%信頼区間0.44-0.94)が認められた[...]。

ナッツを月2回以下食べている人は、まったく食べていない人よりも死亡率が低いという結果でした。また、その効果はがんによる死亡に対しても見られました。

 

以前に紹介した研究では、ナッツを多く食べる人ほど死亡率が低く、死因別に見るとがんや糖尿病、心血管疾患といったものが少なくなっていました。

今回の研究も類似した結果でしたが、脳卒中のような病気による死因とは関連が認められませんでした。

今回の結果からでは、因果関係に言及することはできません。もしかしたら、ナッツをよく食べる人には、ナッツをまったく食べない人と異なる生活習慣があるかもしれませんし、そのような要因が関連し、死亡率に影響しているとすれば、ナッツの消費量は実はあまり関係ない可能性もあります。

今後さらに検証が進み、もしナッツに予防効果があるとわかれば、健康的な食事の参考になるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Nut consumption is inversely associated with both cancer and total mortality in a Mediterranean population: prospective results from the Moli-sani study.

Br J Nutr. 2015 Sep

[PMID: 26313936]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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