「ナッツで心臓の病気を予防できる」は本当なのか?
心筋梗塞、脳卒中といった心血管疾患を予防できるかもしれない食べ物として、ナッツがあります。今回の研究では、ナッツの消費量と心血管疾患の関連性について、過去の研究を集めて調査しました。
♦ナッツと心臓の病気の関連性を検証
今回の研究は、過去に報告された20の研究をまとめ、ナッツの消費量と心筋梗塞、脳卒中などの
◆ナッツを食べる人は 心臓の病気を発症しにくい?
結果は、以下の通りでした。
ナッツの消費量は、すべての原因による死亡リスク(10の研究:摂取量の最も高い五分位と最も低い五分位を比較したリスク比0.81:95%信頼区間0.77、0.85;P het=0·04, I 2=43 %)、心血管疾患の死亡(5つの研究:リスク比0.73:95%信頼区間0.68,0.78;P het=0·31, I 2=16 %),すべての
冠動脈 疾患(3つの研究:リスク比0.66;95%信頼区間0.48,0.91;P het=0·0002, I 2=88 %),冠動脈疾患での死亡(7つの研究;リスク比0.70;95%信頼区間0.64,0.76;P het=0·65, I 2=0 %)[…]であった。全ての脳卒中において、関係があるという根拠はなかった(2つの研究:リスク比1.05;95%信頼区間0.69,1.61;P het=0·04, I 2=77 %)。
ナッツの摂取量が多い人は、少ない人と比べて、心筋梗塞などの冠動脈疾患になるリスクや、その疾患による死亡リスクが小さいことが分かりました。しかし、今回の研究から、脳卒中との関係について根拠となる結果は得られませんでした。
ナッツの摂取と血圧の関係など、体の健康に関する研究は、ほかにも多くなされています。今回の研究結果は、病気を予防するかもしれない食事として、参考になるかもしれません。
執筆者
A systematic review and meta-analysis of nut consumption and incident risk of CVD and all-cause mortality.
Br J Nutr. 2015 Nov 9
[PMID: 26548503]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。