2016.02.16 | ニュース

大腸がんを発見する便潜血検査はどれぐらい頼れるのか?

4年間毎年検査した結果

from Annals of internal medicine

大腸がんを発見する便潜血検査はどれぐらい頼れるのか?の写真

便潜血検査(免疫学的検査)は大腸がんを発見する能力が高く、広く使われています。毎年繰り返し検査を受けたときに、どの程度大腸がんが発見されるのかが検討されました。

◆4回の検査の結果

研究班は、50歳から70歳の323,349人を対象に、毎年1回、4年間検査を繰り返すプログラムを行いました。参加した人の中で、免疫学的検査の結果と、最終的に大腸がんと診断されたかどうかを集計しました。

 

◆陽性が出たら3.4%

次の結果が得られました。

便免疫化学検査の陽性率(5.0%)、陽性正診率(腺腫51.5%、直腸結腸がん3.4%)はラウンド1で最も高かった。全体で、プログラムによる便免疫化学検査のスクリーニングは、検査から1年以内に診断された直腸結腸がんの患者のうち80.4%を発見し、うちラウンド1では84.5%、以後のラウンドでは73.4%から78.0%が発見された。

4年のうち最初の検査で最も大腸がんが見つかる割合が多く、検査を受けた人の5.0%で陽性の結果があり、陽性だった人のうち3.4%は最終的に大腸がんと診断されました。これは以後1年間に大腸がんと診断された人のうち80.4%にあたりました。

 

免疫学的検査を定期的に受けることで、大腸がんはかなりの割合を見逃さず発見できます。見逃さないことに重点のある検査なので、陽性の結果が出ても大腸がんではないことのほうが多くなっています。検査を受けるときにこうした数字を理解しておくことで、結果に応じた相談がしやすくなるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Fecal Immunochemical Test Program Performance Over 4 Rounds of Annual Screening: A Retrospective Cohort Study.

Ann Intern Med. 2016 Jan 26. [Epub ahead of print]

[PMID: 26811150 ]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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