「ナッツでコレステロールが減る」は本当か?
コレステロール値が高いなどの脂質異常症(高脂血症)は、心臓の病気を発症する要因のひとつです。今回の研究では、コレステロール値を改善する食べ物として、ナッツの有効性を検証しました。
◆ナッツにはコレステロール値を改善させる力があるのか
今回の研究は、過去に報告された61の研究をまとめ、ナッツが
◆ナッツはコレステロール値を改善し、特に1日60g以上食べると良いかもしれない
以下の結果が得られました。
ナッツの摂取量(食事/日あたり)は、全コレステロール値(-4.7mg/dl、95%信頼区間-5.3から-4.0mg/dl)、LDLコレステロール値(-4.8mg/dl、95%信頼区間-5.5から-4.2mg/dl)、ApoB(-3.7mg/dl、95%信頼区間-5.2から-2.3mg/dl)、
中性脂肪 (-2.2mg/dl、95%信頼区間-3.8から-0.5mg/dl)を下げたが、その他のアウトカムに統計的に有意 な効果は見られなかった。
ナッツを食べるとコレステロール値や中性脂肪値が改善しました。1日60g以上食べたときにその効果が強まるという結果が見られましたが、多く食べるほど効果があるとは確かめられませんでした。
全体を平均すると、ナッツが血液検査値が改善するという結果でしたが、運動や塩分制限などの方法ほどの効果は見られませんでした。もしコレステロール値などを改善したい場合は、生活習慣の改善に加えて、このような研究結果を参考にするのが良いかもしれません。
執筆者
Effects of tree nuts on blood lipids, apolipoproteins, and blood pressure: systematic review, meta-analysis, and dose-response of 61 controlled intervention trials.
Am J Clin Nutr. 2015 Nov 11
[PMID: 26561616]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。