◆ラットに100デシベルの騒音を28日間
研究班は、ラットに100デシベルのホワイトノイズ(ザーという音)を1日4時間、28日間にわたって聞かせ、普通の環境(周りの音は40デシベル未満)で飼育したラットと比べて、脳のうち記憶に関わるとされる海馬の部分に変化があるかを調べました。
◆アミロイドβの量が多い
実験の結果、騒音を聞かせたラットの脳では、アルツハイマー病に関係するとされるアミロイドβの量が多くなり、騒音を聞かせるのをやめてから7日後にもこの変化が続いていました。
研究班は、「これらの研究は、生涯にわたって環境中の騒音にさらされることが積み重なって、アルツハイマー病の始まりと発病に影響を与えるかもしれないことを示唆する」と結論しています。
ラットの実験が必ずしも人間に当てはまるとは限りませんが、アルツハイマー病の原因を明らかにするための手掛かりになるかもしれません。
執筆者
Chronic Noise Exposure Acts Cumulatively to Exacerbate Alzheimer's Disease-Like Amyloid-β Pathology and Neuroinflammation in the Rat Hippocampus.
Sci Rep. 2015 Aug 7
[PMID: 26251361]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。