◆漢方薬群とドネペジル群にランダムに分類
今回の研究では、軽度のアルツハイマー型認知症患者144名を、漢方薬を処方する群(漢方薬群)と、アルツハイマー型認知症の進行抑制薬ドネペジルを処方する群(ドネペジル群)のどちらかに振り分け、24週後の認知機能への効果を検証しました。
◆漢方薬群でより認知機能が向上
調査の結果、漢方薬群では、ドネペジル群よりも、認知機能の評価であるADAS-cogとMMSEの点数が改善しました。
著者らは、この結果から「漢方薬は、軽度のアルツハイマー病患者の認知機能向上に有益かつ効果的」であることが示唆されると述べています。
アルツハイマー型認知症に確立した治療法が存在しない今、さまざまな研究成果が期待されます。そのひとつの治療法として、今後漢方薬も注目されるかもしれませんね。
執筆者
Cognitive Improvement during Treatment for Mild Alzheimer's Disease with a Chinese Herbal Formula: A Randomized Controlled Trial.
PLoS One. 2015 Jun 15
[PMID: 26076022]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。