2015.07.12 | ニュース

道路の騒音が死亡率と関係する?脳卒中による入院と全死因死亡率に関連

ロンドン860万人の観察研究
from European heart journal
道路の騒音が死亡率と関係する?脳卒中による入院と全死因死亡率に関連の写真
(C) Kadmy- Fotolia.com

騒音と病気の関係を指摘した報告があります。心理的なストレスにより血圧が高くなることなどが考えられますが、長期的な影響は明らかではありません。イギリスの研究班が、ロンドンの細かい地域ごとの死亡率などを比較することで騒音の影響を調べたところ、日中騒音が強い地域で全体として死亡率が高いなどの関連が見つかりました。

◆ロンドンの地域ごとの騒音

研究班は、ロンドンの住人860万人を対象に、地域ごとに午前7時から午後11時までの日中、または午後11時から午前7時までの夜間の騒音と、心血管疾患脳卒中心筋梗塞など)による入院や死亡との関連を統計解析により調べました。

 

◆日中の騒音が全年齢で関連

次の結果が得られました。

日中の道路交通による騒音への曝露は中央値で55.6dBだった。日中の道路交通による騒音は、脳卒中による入院のリスクを増加させ、60dBを超えた地域では55dB未満の地域に比べて相対リスクは25歳以上の成人全体で1.05(95%信頼区間1.02-1.09)、75歳以上に限ると1.09(95%信頼区間1.04-1.14)だった。夜間の騒音は75歳以上の人でだけ脳卒中による入院と関連していた。日中の騒音は、60dBを超えた地域で55dB未満の地域に比べて、成人の全死因死亡率と有意に関連した(相対リスク1.04、95%信頼区間1.00-1.07)。

日中の騒音が強い地域では、25歳以上の成人全体について、脳卒中による入院のリスク、およびすべての死因をあわせた全体としての死亡率が大きくなっていました

 

この研究の方法では、騒音が原因で病気や死亡率に影響が出るとは断定できず、解釈としては、もともと健康状態のよくない人が騒音の強い地域に住む傾向があったなどの可能性も考えられます。脳卒中による入院のリスクに違いがあったように、なりやすい病気の傾向に違いが見つかれば、病院のどの診療科に重点を置くかといった政策上の判断の参考になるかもしれません。

なお、道路と健康の関係についての研究はほかにも紹介しています。関心のある方はあわせてご覧ください。

「道路に隣接した家に住んでいる人は心臓突然死のリスクが高い?」

http://medley.life/news/item/55644f0d6a03a70c017d1521

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Road traffic noise is associated with increased cardiovascular morbidity and mortality and all-cause mortality in London.

Eur Heart J. 2015 Jun 23 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26104392]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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