2015.08.16 | ニュース

肥満だけでなく、糖尿病も脂肪肝に関連していた

カナダの研究チームが351名を分析

from Hepatology (Baltimore, Md.)

肥満だけでなく、糖尿病も脂肪肝に関連していた の写真

脂肪肝になる原因はさまざまなことが言われています。その中でも、ご存知の通り「肥満」は大きな原因です。『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』に引用されている1990年の論文を紹介します。

◆肥満度など脂肪肝に関連しそうな要素を検証

この研究は以下の方法で行われました。

脂肪変性、脂肪性肝炎、肝線維症で非アルコール性の患者であろう351名を観察し、様々なリスク因子を評価した。

脂肪肝の中でも、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を示唆する肝臓の組織の変化と、肥満度や糖尿病などの関連を検証しました。

 

◆脂肪肝と肥満度、2型糖尿病などが関連

以下のことを報告しました。

脂肪変性、脂肪性肝炎の発症と肥満度は関連していた。

脂肪性肝炎は、著しい肥満の患者の18.5%に、痩せた患者の2.7%に認められた。

脂肪性肝炎への他のリスク因子は、2型糖尿病、死亡直前の前末期で体重減少したこと、死ぬ前の1週間で静脈内グルコース治療を受けたことであった。

脂肪性肝炎は肥満だけではなく、2型糖尿病とも関連していました。

 

脂肪肝が肥満であるほど起こりやすいのは想像に難くないと思いますが、そのことをデータとして示した点に意義があります。今から25年前の論文ですが、『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』でも引用されています。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Fatty liver hepatitis (steatohepatitis) and obesity: an autopsy study with analysis of risk factors.

Hepatology. 1990 Nov

[PMID: 2227807]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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