2015.08.11 | ニュース

糖尿病、高血圧で慢性腎臓病のリスクは倍増!

日本人12万人を10年間追跡調査

from Kidney international

糖尿病、高血圧で慢性腎臓病のリスクは倍増!の写真

高血圧治療ガイドラインには、高血圧がリスク因子となる疾患として、心血管疾患や末期腎臓病が記載されています。高血圧はほかにも慢性腎臓病のリスク因子とされます。その関係を報告した2007年の論文を紹介します。

◆慢性腎臓病の発症に関連する要因を検証

今回の研究では、10年間の追跡調査により123,764名の成人に関して、慢性腎臓病の発症に関連する要因を検証しました。

 

◆慢性腎臓病の発症には、高血圧、糖尿病などが関連

調査の結果、男女ともに血圧が高い人で慢性腎臓病の発症が多くなっていました

慢性腎臓病の発症と関連するほかの要因について、次の結果が得られました。

男性ではすでに糖尿病治療中である場合、女性では高血圧治療中、収縮期血圧が160mmHgより大きいまたは拡張期血圧が100mmHgより大きい、糖尿病、糖尿病治療中である場合にハザード比が2倍以上であった。

男女ともに慢性腎臓病の発症には糖尿病が大きく関連するという結果でした。 ほかに高コレステロール血症、肥満、喫煙などに慢性腎臓病との関連が見られました。

 

高血圧によって、ここで報告された慢性腎臓病を含め、さまざまな疾患の発生リスクが高くなります。生活習慣の見直しや降圧薬によって血圧を下げると、そのリスクが減少するかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Risk factors for chronic kidney disease in a community-based population: a 10-year follow-up study.

Kidney Int. 2007 Jan

[PMID: 17136030]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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