2015.08.17 | ニュース

高血圧、脂質異常症の人で脂肪肝が多い

日本の研究チームが2,083名を分析

from Hypertension research : official journal of the Japanese Society of Hypertension

高血圧、脂質異常症の人で脂肪肝が多い の写真

脂肪肝が高血圧や脂質異常症(高脂血症)のある人に多いことは、現代ではよく知られてきていますが、それは古くから積み重ねられた論文があるからです。今回はそのひとつである、ガイドラインでも引用された2001年の論文を紹介します。

◆脂肪肝との関連性を検証

今回の研究は、2,083名の日本人を対象に、超音波検査によって診断した脂肪肝と、高血圧や脂質異常症との関連を調査しました。

 

◆脂肪肝には高血圧が関連する

調査の結果、以下のことがわかりました。

脂肪肝の割合は、肥満ではない患者(BMI、体格指数26.0kg/m2未満)の男性で3.3%、女性で3.8%、肥満患者(BMI26.0kg/m2以上)の男性で21.6%、女性で18.8%であった。

脂肪肝は、男性では高コレステロール血症、高中性脂肪血症と、女性では高血圧、高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、糖尿病または糖耐能異常(DM+IGT)と、年齢、肥満、喫煙、飲酒に関わらず有意に関連していた(すべてp<0.01)。

脂肪肝は男女とも肥満の人に多く、脂質異常症、高血圧などが関連していました。

筆者らは、「脂肪肝の発生割合は、高齢の男女ともに同じであり、冠動脈疾患のリスク因子と独立して関連している。」と述べています。

 

『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』という、脂肪肝の診療ガイドラインで引用されている論文でした。このように、脂肪肝とさまざまなリスク因子の関連を検証することで、次の治療に関する知見に結びつく、重要な論文です。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Correlation between fatty liver and coronary risk factors: a population study of elderly men and women in Nagasaki, Japan.

Hypertens Res. 2001 Jul

[PMID: 11510744]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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