2015.08.20 | ニュース

脂肪肝で肝臓・心臓の病気による死亡率が増加

メタアナリシスにより検証

from Annals of medicine

脂肪肝で肝臓・心臓の病気による死亡率が増加 の写真

脂肪肝があると、心筋梗塞などの心血管系疾患が高い確率で発症することをご存知でしょうか?その検証を行った、診療ガイドラインで引用されている2011年の論文を紹介します。

◆40の文献から心血管イベントの発症リスクを検証

今回の研究では、さまざまな文献データベースから40の文献を抽出し、非アルコール性脂肪性肝疾患と心血管疾患や肝臓の病気による死亡率と糖尿病の発症との関連を検証しました。

 

◆非アルコール性脂肪性肝疾患は死亡率を高める

調査の結果、以下のことを報告しました。

非アルコール性脂肪性肝疾患は、肝臓関連または心血管疾患によって全死因死亡率を増やし(オッズ比1.57、95%信頼区間1.18-2.10)、糖尿病のリスクを2倍にした。

非アルコール性脂肪肝疾患が肝臓や心臓の病気を増やす結果、死亡率を増やしているという結果でした。

 

今回紹介した論文以外の研究も参照して、「NAFLD/NASHにおいて、一般人口と比較し心血管イベントの発症が高率である」ということが『NAFLD/NASH診療ガイドライン2014』に記載されています。心臓の病気などが現れないうちに、脂肪肝の予防や治療を行うことが重要なのかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Meta-analysis: natural history of non-alcoholic fatty liver disease (NAFLD) and diagnostic accuracy of non-invasive tests for liver disease severity.

Ann Med. 2011 Dec

[PMID: 21039302]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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