マクロライド系抗菌薬
細菌のタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす薬
マクロライド系抗菌薬の解説
マクロライド系抗菌薬の効果と作用機序
マクロライド系抗菌薬の薬理作用
細菌の生命維持や増殖にはタンパク質の合成が必要であり、それはリボソームという器官で行われる。細菌のリボソームは30Sと50Sというサブユニットに分けられる。
本剤は細菌などの50Sサブユニットに作用することでタンパク質合成を阻害し、細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす。
本剤はマイコプラズマなどの細胞壁をもたない細菌や細胞内に寄生するクラミジアなどに対しても抗菌作用をあらわす。本剤の中でも胃酸に対する安定性や体内の組織への移行性を増大させたクラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、アジスロマイシンをニューマクロライドと呼ぶことがある。
なお、本剤は内服する際、比較的苦味を感じやすい薬剤であり、特に薬剤を噛み砕いたり、スポーツ飲料やジュースなどの酸性飲料で服用すると強い苦味を感じる場合がある。
マクロライド系抗菌薬の主な副作用や注意点
マクロライド系抗菌薬の一般的な商品とその特徴
エリスロシン
- エリスロマイシン製剤
- 錠剤、ドライシロップ剤、顆粒剤、注射剤と剤形が多く用途や疾患などによって選択される
クラリス,クラリシッド
- クラリスロマイシン製剤
- マイコプラズマ、クラミジア(肺炎クラミジア)などに対して比較的優先して使用される薬剤
- ヘリコバクター・ピロリ感染症における除菌治療で使用する場合もある
- 錠剤、ドライシロップ剤があり用途などによって選択される
ジスロマック
- アジスロマイシン製剤
- 小児用カプセル剤や細粒剤など剤形があり、用途や疾患などによって選択される
感染症 の種類や使用する剤形によっても服用方法などが異なる場合がある
ジョサマイ,ジョサマイシン
- ジョサマイシン製剤
- 錠剤、シロップ剤、ドライシロップ剤があり用途などによって選択される
- 他のマクロライド系
抗菌薬 に比べ内服時の苦味が比較的少ないとされる