クラミジア・トラコマティス肺炎 - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
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クラミジア・トラコマティス肺炎
出産の際に母親から赤ちゃんにクラミジアが感染して起こる肺炎。生後3-16週に結膜炎に続いて発症する。発熱はなく、症状は鼻水や軽度の咳のことが多い
8人の医師がチェック 146回の改訂 最終更新: 2021.03.01

クラミジア・トラコマティス肺炎の基礎知識

POINT クラミジア・トラコマティス肺炎とは

クラミジア・トラコマチスによる肺炎のことを指します。クラミジア・トラコマチスは性感染症を起こしますが、母親がクラミジア性感染症を起こしたまま出産すると、生まれたての赤ちゃんにクラミジア・トラコマチスがうつり感染症を起こします。特に新生児の肺や目に感染が起こりやすく、肺に感染した場合にクラミジア・トラコマチス肺炎となります。主な症状は、咳・痰・呼吸困難などです。 画像検査や血液検査、細菌検査により診断します。画像検査で肺炎が存在していて、血液検査や細菌検査でクラミジア・トラコマチスが体内にいることが確認された場合に、クラミジア・トラコマチス肺炎と診断できます。治療は抗菌薬治療を行います。また、母親も感染している可能性が高いため、母親も新生児と一緒に検査・治療を行います。小児科で治療することになります。

クラミジア・トラコマティス肺炎について

  • クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という微生物の感染によって起こる肺炎
    • クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)は、性感染症を起こすクラミジアである
    • クラミジア性感染症を持つ母親から生まれる赤ちゃんが出産のときに感染する(産道感染
    • 一般的にクラミジア肺炎というと、クラミドフィラ・ニューモニエ(Chlamydophila pneumoniae)という別の細菌による肺炎のことを指す
  • 頻度
    • 大人がクラミジア・トラコマチス肺炎になることは珍しく、ほぼ新生児・乳児に限られる
    • 母親が感染している場合、20%以下の頻度で出産のときにうつしてしまうと報告されている
    • 産道感染により新生児の眼に感染して封入体結膜炎を起こすこともある
    • 成人では性器やのどに感染することがほとんど

クラミジア・トラコマティス肺炎の症状

  • 主な症状 
    • 多呼吸
    • 喘鳴
    • 咳、痰 
    • 呼吸困難
  • 症状の詳細
    • 通常、生後3-16週に鼻水や軽度の咳で発症する
    • 発熱なく経過して、呼吸器症状のほかに、結膜炎の症状が先行していることが多い

クラミジア・トラコマティス肺炎の検査・診断

  • 画像検査:肺炎が起こっているかなどを調べる
    • 胸部X線
    • 胸部CT
  • 血液検査:体内に炎症があるか、クラミジアの抗体があるかなどを調べる
  • 細菌検査:体内にクラミジアがいるかを調べる
    • 採取した痰を顕微鏡で観察する、培養する
    • 採取した痰の中にクラミジアの遺伝子があるかどうかを調べる

クラミジア・トラコマティス肺炎の治療法

  • 主な治療
    • 入院して、マクロライド系抗菌薬またはニューキノロン系抗菌薬による治療を行う
    • 母親から感染した可能性が高いため、両親も同時に検査・治療を行う
    • 対症療法
      • 咳や呼吸困難などがあれば、酸素吸入を行う
  • 予防方法
    • 出産前、両親にクラミジアの感染が見つかった場合は治療を行う
  • 長期的な経過
    • 抗菌薬の治療により重症にならずに治癒することが多い

クラミジア・トラコマティス肺炎に関連する治療薬

マクロライド系抗菌薬

  • 細菌のタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑えることで抗菌作用をあらわす薬
    • 細菌の生命維持や増殖にはタンパク質合成が必要となる
    • タンパク質合成はリボソームという器官で行われる
    • 本剤は細菌のリボソームでのタンパク質合成を阻害し細菌の増殖を抑える
  • マイコプラズマやクラミジアなどの菌に対しても高い抗菌作用をあらわす
  • 服用する際、比較的苦味を強く感じる場合がある
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クラミジア・トラコマティス肺炎の経過と病院探しのポイント

クラミジア・トラコマティス肺炎が心配な方

クラミジア・トラコマティス肺炎は、生後の新生児・乳児に発症する感染症です。クラミジア・トラコマティスは成人では性感染症を引き起こしますが、妊婦が感染したまま出産に至った場合、赤ちゃんの肺や目に感染することがあります。

症状は比較的軽く、肺炎としては咳、呼吸回数の増加といった症状がみられます。熱はあったとしても微熱程度が多いです。肺以外では結膜炎を起こして目の充血などを引き起こします。

国内では妊婦健診でクラミジア感染の有無を確認することが多く、感染が見つかれば妊娠中に治療を行います。しかし、妊婦健診を受けておらず出産後にお子さんに上記のような症状があれば、まずは小児科のクリニックを受診することをお勧めします。この時期の赤ちゃんはお母さんの免疫を受け継いでいるため感染症にはかかりにくいのですが、それでもかかってしまうと重症化しやすいので注意が必要です。診断がつけば治療可能な病気ですので、判断に迷ったらまずは医師の診察を受けてみてください。

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